研究紀要第13号 教授組織に関する研究 理論と実践編 - 013/019page
10.小規模少人数学級校における実践
(1) 高学年音楽科の検証
@ 研究のねらい
音楽の美しさに感動する経験を数多くもたせ,その楽しさを身につけさせることによって,情操を高め,豊かな創造性を養うことをめざしている。本校のように小規模少人数学級校においては.音楽科の器楽・合唱等の分野について,児童集団編成の上で制約を受け,音楽的感覚場面の構成から本質的な授業の展開に困難性が見られる場合が非常に多い。その障害を除去するため,近接2学年を合併しての児童集団の再編成による授業が考えられる。学習の成果は個人に成立しなければならないと言うことを前提として,協力教授活動による教師の役割分担によって指導し,児童ひとりひとりの学習をより効率的に定着させようとする研究のねらいを具体的にあげると次のようになる。
ア、学年のわくをはずした集団の再編成による教授過程を確かめる。
イ、教授過程で段階的な教師の役割分担を確かめる。A 5・6年の音楽
ア、題材名 星の世界
(ア) 広大な星の世界へ思いをよせ,歌唱表現させる。
(イ) へ調調の視奏になれさせ,笛,鉄きん,オルガンなどで楽しく旋律を表現させる。
(ウ) 和声の美しい流れを味わうようにさせ,和声に合ったふし作りをさせる。イ、児童の実態
(男子19名,女子13名 計32名)
(ア) 音楽学習は全員好み,特に器楽への関心は強い。
(イ) 発声はまだ不揃であるが,合唱のハーモニー感はわかるようになる。ウ、題材構成