研究紀要第14号 児童・生徒の社会認識に関する研究 マスコミ文化・男女交際についての考察 - 010/022page
他人を意識してみなりを整えるということは,小,中,高生をとおし8.8%〜19%までみられるが,中学校女子の生徒が,全体をとおし最低で,8.8%の状態であるが,学年差はあまり見当らない。ときどき友だちを考える状態も小,中,高生として著しい変化はないが,中学生の男子が全体の3分の1の状態で,やや少率ぎみである。ただ高校生の半数以上は,友だちを意識して生活するのは,当然の事実であろう。
反面,ほとんど友だちを意識しないのは,中学生が最高で,自己の欲求と自立心が育ったことが,おとなへの自覚の芽生えと「もう子どもでないという「自我のめざめ」へつながる大事な時期であるように思われる。
この時期こそ,細心の注意と温かい親の配慮が必要となるであろう。
6.男女交際は,どのような状態でしょうか。
表5.いつごろから異性を意識するようになったのだろうか。
小学校 中学校 高 校 男 女 男 女 男 女1.小学校4年以前 12.1 12.6 0 2.4 12.0 7.02.小学校5年 23.4 9.0 10.3 7.2 5.0 9.03.小学校6年 8.1 12.6 12.9 15.2 20.0 9.04.中学校1年 0 0 33.6 37.6 15.0 11.05.中学校2年 0 0 10.3 11.2 16.0 11.06.中学校3年 0 0 0 0 8.0 9.07.高校1年 0 0 0 0 4.0 2.08.高校2年 0 0 0 0 2.0 09.いつごろかよくわからない 56.4 65.8 25.9 26.4 18.0 42.0
図10-1異性の友だちに対する関心(男子) 図10―2異性の友だちに対する関心(女子) 異性に対する関心は,小学校高学年から中学校1年をピークにして関心度を増すのがわかる。中2以後は下り坂の状態で,比較的分散している。
これは,異性を意識するのが,過去の記憶にさかのぼって求めることが,やや困難の点があり,いつごろかよくわからないという者が,小学生で半数以上,高校女子で42%の者が,はっきりしないという。上記の調査は概括的傾向ととらえてよかろう。
ただ昭和47年度の調査と比較すると年々児童・生徒の異性意識が,低年令化するのがみられるが,このことに対する配慮が,いっそう重要なことになるのだろう。