研究紀要第14号 児童・生徒の社会認識に関する研究 マスコミ文化・男女交際についての考察 - 016/022page

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表10.男女交際や性のなやみはどんなことでしょうか。(中・高生)
    いちばん困ったことや心配ごとは,なんでしょうか。(小学生)

小学校
中学校
高 校

なやみのある人

33.9
42.4
2.6
7.2
12.0
11.0

心理的悩み
対人的悩み
肉体的悩み
その他

小学・男
小学・女

23.8
14.8
59.5
72.3
0
2.1
16.7
10.8
中学・男
中学・女
33.3
11.1
66.7
88.9
0
0
0
0
高校・男
高校・女
8.3
0
92.7
100.0
0
0
0
0

 小学校は,自分のなやみとして健康,能力容姿,教科の学習をあげており,対人的なやみは男女交際(友だちと仲よくしたい。親しい友ととけこめない。友が転任する淋しさなど)と家族関係(父母の育てかた,家人の体の弱さ)などをのべている。上学年にいくにつれて対人的なやみは,グループ関係の男女交際のことへ発展し,性的なことも加味されている。そのほか,少数のものが地域の風習(うわさ,ひやかし,女性の地位の低さなど)を述べているが,友だちの意識に伴うなやみが最高であり,このなやみをさりげなく見守る中で異性との交際のあり方,現代っ子の異性観を正しく育てるべきではないだろうか。

7.男女交際の実態のまとめ

 小学生は友だちと仲よく遊び,中・高生は異性に強い関心をもち異性の友をもっている者は,30%で,1対1の交際は,10%前後でグループ交際が大部分である。まわりの人は,男女交際について容認するが周囲を気がねし健全な発達をしているとは考えられない。しかし交際の程度や考え方は,明確な判断基準はなく,そのほか適当な相手がいない者,交際のしかたがわからない者,交際は勉強のさまたげになるし年令からみて早いと周囲をうかがう者などがあげられる。お互いに尊敬し向上しあう交際のしかたが望まれる時期である。

 B 面接調査からみた意識の傾向

1.調査の主な内容

 本調査の経過と方法のところで述べたように昨年度と今年度と質問紙法の内容を深め,さらに質問紙法で探りえない子どもの本音を知るために面接法による調査を試みた。
 調査内容は,次のような項目をきめて実施した。

(1) あなたは異性の友だちがいますか。
     はい   いいえ
    いいえの場合は,どうしていないのですか。
   (小学校は,仲よしの友とする)
(2) 異性の友がいてどんな点がよいことですか。
(3) 異性の友がいて不安なときがありますか。
    不安を感じるのは,どんなときですか。
(4) 心の中にいだいている異性の友とは,どういう人ですか。
(5) あなたは男女一緒のグループで仕事をする場合,男・女の仕事の役わりをきめますか。
   (そうじ,理科実験,調理のとき)
(6) あなたは,男女交際や性について学校で学習するとしたらいちばん教えてほしいのは何ですか。具体的に話しましょう。


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