研究紀要第14号 児童・生徒の社会認識に関する研究 マスコミ文化・男女交際についての考察 - 017/022page

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2.調査結果の概要と要点

(1) インタビューの概観

 調査対象は,小学校6年(30名)中学校2年(30名)高校2年(20名)ずつの男・女であるが,児童・生徒は,調査者と直接かかわりあいがないといっても10名ずつのグループインタビューなので卒直に答え,現代っ子の自由なふん囲気で語ってくれた。性に関する問題もかなりの点までフランクに話し,発言の中から有意義な資料がえられて幸いであった。

〈 小 学 校 〉

(2) 印象的な発言内容   (注 T…インタビュアー,C1…男子児童,C2…女子児童とする)

@ 友だちの状況
 小学生は,全員仲のよい友だちはいるし同性の友人が多い状態である。異性の交際は,グループ交際が多かった。(質問紙調査と同傾向)

A 仲よしの友のよい点
T 仲よしの友がいてどんな点がよいことでしょうか。
C1 自分の間違いを教えてくれる。
C2 先生に叱られたときいつも元気づけてくれる。
C2 先生にいえないことも気軽に話せる。
C1 わからないことは相談相手になる。
C1 けんかのとき,味方をしてくれる。
C2 できないことを助けてくれる。(宿題)
C2 男女交際のことを教えあうし話しあう。
C1 一緒にいると楽しいし安心する。
C2 友だちにより悪の道へはいらない。

B 友だちがいて不安の状態
T 仲よしの友がいて不安のときは,どんなときですか。
C1 自分と意見の対立したとき。
C1 友だち同志けんかしたとき。
C2 友だちへつげ口されたとき。
C1 文句をいったあと友がどう思うか不安。
C2 ことわったとききらわれないかと不安。
C1 他人と仲よくしているのを見ると不安。
C2 ひやかされたりすると不安。
C2 組がえのとき別れることへの不安。
C1 いわないと約束したが話されたとき。
C1 友に誘われ遠のりして外出したとき。
C2 友へ頼り先生の話をきかないとき。

C 友人の理想像
T 心の中にいだいている仲よしの友とは,どういう人ですか。
C2 なやみをうちあけられる人。
C1 いっしょに仕事のできる人。
C2 親切でやさしい人。
C1 まちがいを注意してくれる人。
C2 自己の立場になって考えてくれる人。
C1 かげひなたなく,かげ口のいわない人。
C2 感情がたいらで,おこらない人。
C1 勇気づけはげましてくれる人。

D 仕事の状況
T あなたは,男女一緒のグループでつぎのことをする場合,男と女の仕事の役わりをきめますか。

そ う じ

 大部分は,男女差はない状態だが,教師,班長がリードしあい,分担しあって順番にやる状態が強い。

理科実験

 女は見学するとかメモするとか積極的に実験する態度が少ない。一部には,輪番にやる学習ぶりもあるが,ごく少数に限られる。

調   理

 大部分の女子が調理をするので,女の仕事と思っている。学校の調理実習は,男女こだわらず協力するが,家庭では,男子は買物,膳立てぐらいを手伝う程度で,たまに学校で実習したのを作って賞味させるが,母のるすの場合か,忙がしい時期に限られている。(即席ラーメン,目玉やき程度)


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