研究紀要第14号 児童・生徒の社会認識に関する研究 マスコミ文化・男女交際についての考察 - 020/022page
E 希望する学習内容
T 男女交際や性に関することで教えてほしい内容は,何でしょうか。〈小学校〉
C2 男女交際のしかた。
C1 行動で実際に教えてもらいたい。
C2 心身の発達の状態。
C1 脊の小さいわけと体質のこと。〈中学校〉
C1 男女交際の正しいありかた。
C2 一緒に仕事をするしかた(行事―レクリェーション,ゲーム,たのしみ会など)
C1.2 人体の生理衛生について教えてほしい。
C1 思春期の心とからだの特微を知りたい。
C1 雑誌で見る性知識なので正しく教えてほしい。(子どもの出生について)
C2 友だちと話すが,最低限は学校で教えてもらいたい。
C2 女子は母親が教えてくれてもよい。〈高 校〉
C1 セックスについては,中学生の時期に知りたい。
C2 避妊の方法について教えてほしい。
C1.2 友人の知識なので不安だが正しく教えてほしい。(男女の違い,性病,モラル,結婚についての系統的知識)
C2 教師の経験談を生かして教えてほしい。
(教科書の知識でなく自然な教え方…)
C1 自慰行為のよしあしについて知りたい。
C1 性交法について知りたい。(3) 応答内容からみた全般的な傾向と特徴
―小学校―
小学校の児童は,お友だちを見る目と男女の仕事の役割についてどんな意識をもっているかを調査したものである。一応素直に好ましい意識が育ちつつあるが,芽生え程度で自己の意識の確立されたものはなく家庭の父母の育てかたが児童を左右しているように思う。
また調査者に誘導されたり,強い子の発言にひきずられたりして小学生のひ弱さがでているので,ただその傾向をみる程度でとどめてほしい。―中学校―
出席者の中に活発に発言する者と他人と同意見という者と性知識に対する発言内容に個入差がみられる。知識量は,マスコミのうけうりが大分みられ科学的内容に乏しいきらいがある。現代の世代の反映か許容的に眺めるし,ある程度自己と他人とわりきる傾向が強い。これは質問紙法の結果を裏づけるものであるが,異性に対して強い関心をもち性のなやみもみられるが,中学生の時期は勉学のほうに関心がむきがちで,内向的視野の交際が多く,全体的に相手の気持ちを理解する段階にとどまっている様子である。―高等学校―
全般的にみていっそう性意識がたかまり積極的な態度と開放性がいちだんとみられ発言も具体的なところまで話すようになってくる。ただ勉学に追われて関心のうすい子もある。
セックスは,友人を中心にした興味本位の意見と雑誌等より形成された知識が大分みられた。そこで真に男女交際の正しいあり方を考えて理解しあい,共学のよさを正しく判断してまじめな態度と生活習慣を養うものでありたい。そして幸福な学校生活または社会をつくりだすには,現在どうしたらよいかを自主的に考えさせ,誠実を傾けて生きる男女交際の意義を育てるものでなくてはならないであろう。