研究紀要第15号 長欠児童・生徒 かん黙児童・生徒の治療的指導に関する研究 - 004/022page

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表3および表4から考察すれば,長欠児童生徒の出現は学校規模の大小にはあまり左右されず,学校までの通学距離の遠近,交通の便不便が,大きな力となって働いていることが推定される。
長欠児の男女比は,6:4で男子が多い。〔全国の男女比率 小学校1.8(男):1(女)中学校2(男):1(女)〕

3.学校規模別長欠児出現率

大規模校
中規模校
小規模校
小学校(%)
13(0.061)
29(0.061)
5(0.067)
中学校(%)
25(0.161)
42(0.174)

4.学校施設置地区別長欠児出現率

特A地区
A地区
B地区
C地区
小学校(%)
2(0.02)
10(0.05)
24(0.08)
11(0.13)
中学校(%)
(0.15)
21(0.14)
27(0.16)
13(0.32)

5.男女別長欠児童・生徒比

県 北
県 中
県 南
会 津
南 会
相 双
いわき

6

4
男 子
15
18
15
5
0
4
7
69
女 子
10
10
5
4
0
2
12
45
男女比
3:2
9:5
3:1
2.5:2
0:0
2:1
3.5:6
6:4
 

6.学年別長欠児童・生徒数

小1
2
3
4
5
6
中1
2
3
県 北
 
3
1
1
2
6
1
5
6
25
県 中
 
1
 
1
3
3
8
6
6
28
県 南
 
 
 
2
4
2
2
4
6
20
会 津
 
1
1
1
1
 
1
1
3
9
南 会
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
相 双
1
 
 
 
1
1
1
 
2
6
いわき
 
3
2
 
4
2
8
3
4
26
1
8
4
5
15
14
21
19
27
114

ただし,表5では,いわき方部のみが2(男):3(女)と女子が高いのが目立つ。

長欠児の出現を学年別にみてみると,小学校低学年・中学年には少なく,高学年から中学校へと進むにしたがって急激に増加していることは,今後の指導上の留意点として銘記しなければならないことであろう−表6

長欠児童・生徒の状態からは,次の諸点が推論された。

イ 長欠児童・生徒の2割以上が,休日あけに引続いて休みがちである。

ロ 長欠児童・生徒の2割近くの者が,腹痛や頭痛を起し,心身症的な症状を示している。

ハ 上記イロの症状は午後になると消失してしまうことがあるが,そのような消失をみる者が1割5分程度存在しており,怠学や仮病と誤られることが多い。

ニ 前日夕方の登校リハーサル的指導は,あまり効果的でないことが分る。

ホ 精神障害があるのではないかと疑える者が,約1割程度存在している。

なお,表7に示された欠席者の状態は単一の状態としてあらわれることは少なく(単一状態のみを示すもの22.8%)残り77.2%は,2つ以上の状態があらわれる複合症状型の長欠者である。

一般的にみて長欠児童生徒の学業成績およぴ知能は,低いのが原則とされているが,中には知


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