研究紀要第15号 長欠児童・生徒 かん黙児童・生徒の治療的指導に関する研究 - 009/022page

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表17の友人関係を利用しての指導方法で,特に留意しなければならない点は−好きな友だちとの席のくみかえの際に,ソシオメトリックマトリックスや,ソシオマトリックテストを正確に実施しグループ・ダイナミックス的技法を十分に活用することである。なお,友人を使って学校のようすを知らせてやることについては,登校拒否児に対して心理的な圧迫を与え易いので,細心の注意を払いながら実施すべきである。
表18の父兄同伴登校は,小学校低学年の登校拒否児に対して効果的である。
表19の公的な機関との連絡については,できる限り早目に行なうことが望ましい。どうにも手がつけられない状態になってしまってからは,いかなる治療方法も効果が薄く,長期間の治療が必要になることを銘記し,早目早目の連絡こそ最良の治療と考えて利用すべきである。

(4) 長欠児童・生徒の指導で効果の少なかったこと

表20〜23は,長欠児童・生徒の指導で効果の少なかったという意見を表にまとめたものである。
(3)の効果的指導方法と関連的に読んでほしい。

20.効果の少ない指導−本人に対する指導

小  学  校
中  学  校
 
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
性急な指導
 
1
 
1
 
1
3
 
 
 
 
 
 
 
6
強制的な登校刺激
3
2
1
 
1
 
1
 
 
1
1
 
 
 
10
説諭・しっ責
 
1
 
1
 
1
3
 
1
 
 
 
 
 
7
形式的指導督促
2
 
 
 
 
 
 
1
 
 
 
 
 
1
4
本人だけへの連絡
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1
1

21.効果の少ない指導−学校・教師に関して

小  学  校
中  学  校
 
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
家庭訪問のマンネリ化    
3
                     
3
担任以外の教師の協力不足
1
   
1
           
1
     
3
集団登校の扱いかた  
1
       
1
             
2
事務引つぎの不完全            
1
             
1
優秀児との座席ぐみ
1
                         
1
親の協力不足              
1
2
         
3
朝の家庭訪問                
1
         
1
生徒理解の不足              
1
           
1
親の前での本人へのしっ責              
1
           
1
早期の発見処理ができにくい              
1
           
1
定期的教育相談の実施不足                          
1
1

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