研究紀要第15号 長欠児童・生徒 かん黙児童・生徒の治療的指導に関する研究 - 010/022page

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22.効果の少ない指導−友人を使って

小  学  校
中  学  校
 
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
友人による朝の出迎え
1
1
     
1
1
2
1
         
7
友人による登校督促
1
1
       
1
             
3
グループ学習の負担過剰
1
 
1
                     
2

23.効果の少ない指導−家庭への働きかけ

小  学  校
中  学  校
 
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
県北
県中
県南
会津
南会
相双
いわき
過保護・溺愛の家庭の改善指導  
1
1
1
       
1
         
4
母親の付添登校
2
           
1
           
3
家庭環境の整備    
1
                     
1
登校条件としての物品購入  
1
         
1
         
1
3
家庭内の意見不一致の改善    
1
                     
1
性急な効果期待              
2
 
1
       
3
父親の出稼ぎ問題の改                
1
       
1
2

表20〜23からは次のようなことが読みとれるが,効果の少ない指導も時として最良の結果を生むことがあるので,表15〜19までの効果的指導法と関連的に熟読された上,Wの長欠児のとりあつかいかたにしたがって指導してほしい。

イ 朝,登校前に友人を迎えにやることは,非効果的であったとする学校が小学校に4校,中学校に3校あったが,反面この方法が極めて効果的であるとする学校も同数の7校存在していた−表15参照。これは,同じ方法でも状況のいかんによっては効果的にも非効果的にも働くということであり,この方法の実施の時期およびそれ以前の指導,ケースの特異性などを考慮しなければならない。

ロ 効果的な指導例数に比して,効果的でなかった指導例の数が少ないのは自然の姿であろうが,それだけに貴い実践のあとがうかがえる。

ハ 強制的・速効的な指導は失敗を多くまねいていることが伺える。効果をあせらず,じっくりと腰をおちつけて指導することが大切である。

ニ 小学校に比して,中学校の解答記述が少ないことが目立ったが,対象校数が小学校より少なかったためである。したがって,これらの諸表を読む際には,小学校・中学校と一貫した観点に立って,小・中学校のそれぞれの特性を考えながら読まれた上で対策を立ててほしい。

ホ 登校拒否児の家庭への働きかけの失敗が二三あげられていたが,登校拒否症の改善は,家庭の協力がなくしては不可能である。根気よく親(特に父親)の協力を要請したい。


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