研究紀要第15号 長欠児童・生徒 かん黙児童・生徒の治療的指導に関する研究 - 012/022page

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ホ 刺激が皆無になると,心気症的症状が消えてきて,親の気げんをとったり,学校のことが気になり出し始めたら,その時期に友達を遊びにやるようにする。

へ 友達の口から,学校に来るように言わせず,そのようなそぶりも一切出させず,ただ遊ばせるように指示することが大切である。

ト 2〜3週間たったら,担任が出向いていって,一緒に遊ぶ。汗を流して遊び,知的な遊びや,学習に関係するような遊びは絶対しないようにする。子どもと仲好しになるまで続けるようにすることが最も大切なことである。

チ ある朝,突然に友達に迎えにやらせるか,担任が迎えに行くようにする。あるいは,家の人に送ってこらせてもよい。「あすから学校へ来るんだよ」の予告篇は絶対にやめるようにしなければならない。

以上が長欠児に対する学校側の指導方法であるが,登校拒否児の両親は,父親が父権不在型,母親が教育ママ的な傾向が強いので,子どものとりあつかいに注意を向けるだけにとどまらず,両親の養育態度の変革をはかるよう,教育相談的アプローチが絶対に必要である。
なお,長欠児の分類の際にも触れたが,学校という場であつかえる登校拒否児と,専門機関に依頼すべきケースの選別を誤り,手遅れになることのないよう十分の配慮をすることが大切である。
また,われわれ教師は,登校拒否児の治療もさることながら,登校拒否児を作り出さないための努力も,忘れてはならない。

 

T かん黙児童・生徒調査項目・集計・分析

(1) 調査項目

かん黙児童・生徒の調査については,以下のV・Wのアンケートを実施した。

V あなたの学校の全体の児童・生徒を対象にして,聴覚異常,知能障害,自閉症などの障害がないにもかかわらず,口をきかない児童・生徒がいましたら,氏名をあげて(頭文字で記入)該当項目に○をつけてください。同一生徒にいくつ○をつけてもかまいません。なお,○をつける設問以外は,文字または文章で記入してください。

(例)
学年および組(3の4,2の1のように記入してください)
3の4
         
性別(男・女というように文字で記入してください)
         
氏名(Mのように頭文字で記入してください)
M
         
1
家庭でも,学校でも口をまったくきかないので非常に困る。
         
2
家庭では,どうにか口をきくが,家庭から一歩外にでると口をきかない。
 
         
3
買物など,必要にせまられると口をきくが,登校するとまったく口をきかなくなる。
         

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