研究紀要第15号 長欠児童・生徒 かん黙児童・生徒の治療的指導に関する研究 - 014/022page
効果的ではなかったと思われるもの (2) 集計および分析
24.かん黙児童・生徒数
県 北 県 中 県 南 会 津 南 会 相 双 いわき 合 計 小学校 32 32 10 11 2 8 10 105 中学校 5 8 1 6 0 513
38 合 計 37 40 11 17 2 13 23 143表24および表25より次のことが推論される。すなわち,本県のかん黙児童生徒の出現は,全国平均0.19よりやや少なく,地区別に大きな差異が認められるのが特徴であろう。
25.かん黙児童・生徒出現率
県 北 県 中 県 南 会 津 南 会 相 双 いわき 合 計 出現率(小) 0.183 0.176 0.188 0.112 0.091 0.113 0.094 0.149 出現率(中) 0.057 0.080 0.026 0 0.099 0.217 0.217 0.09526.学校規模別かん黙児童・生徒数
大規模校 中規模校小規模校 合 計 小学校 2561
19 105 中学校 11 27 0 38 合 計 36 88 19 143 出現率% 0.0978 0.1333 0.2384 0.12927.学校設置地区別かん黙児童・生徒数
特A A B C 合計 小学校 4 23 50 18 105 中学校 1 12 23 2 38 合 計 5 45 73 20 143 出現率% 0.035 0.1238 0.1525 0.1143 0.129学校規模別かん黙児童生徒の出現率は,小規模校が一番高く,次いで中規模校,大規模校と,規模の大小によって大きな変動がみられた。
これは,小規模校の設置地区が,いわゆる"いなか"に多く,児童生徒をとりまく環境が「無口が美徳」の風習を尊ぶためか,あるいは,比較的非社会的な環境であるため,その影響を強く受けていることが原因と解される。しかし,表27の学校設置地区別かん黙児童生徒出現率を考察した場合には,特A地区(市街中心地区)を除いて有意差が見られない。したがって,この点については再度の精密な調査と分析が必要であると思われる。
一般にかんもく児は,女性に多く見られるといわれるが,本県の場合には5.3:4.7と男子にかん黙傾向者が多いのが特徴であろう。