研究紀要第15号 長欠児童・生徒 かん黙児童・生徒の治療的指導に関する研究 - 016/022page

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表30は,かん黙の状態をあらわしている。項目番号が若い状態に属している者程,その程度が重症であるといえる。したがって,項目1に該当する者−小学校4名,中学校5名は,明らかに@器質的障害A機能的障害によるかん黙児と判断されるので,至急にその診断が必要であろう。
項目2以下は,B心因性かん黙であり,学校・家庭・相談機関の連けいによる治療が必要なものである。

31.かん黙の状態の重積度

人数
%
人数
%
人数
%
1
16
15.2
8
21.1
24
16.8
2
28
26.7
12
31.6
40
28.0
3
31
29.5
10
26.3
41
28.7
4
18
17.1
3
7.9
21
14.7
5
10
9.5
2
5.3
12
8.4
6
2
1.9
2
5.3
4
2.8
7
0
0
1
2.6
1
0.7
8
0
0
0
0
0
0

32.かん黙児童・生徒の成績

5
4
3
2
1
小学生
0
0
16
33
56
中学生
2
2
6
10
18
合 計
2
2
22
43
74

33.かん黙児童・生徒の知能

5
4
3
2
1
不明
小学生
0
1
21
24
30
29
中学生
0
3
4
9
19
3
合 計
0
4
25
33
49
32

表31から判続できるように,かん黙の状態は単一なものでなく,2〜3の重積となってあらわれることが多い。したがって,「あれは学校では話さないからしかたがない」などとお客様あつかいにし,治療に対する努力をひかえるようなことはせずに,少しずつでもその状態の改善を図るよう努力すべきである。

34.かん黙児童・生徒の同胞数(兄弟姉妹)

1
2
3
4
5以上
小学生
12
37
37
9
10
中学生
3
18
9

5

3
合 計
15
55
46
14
13

35.かん黙児童・生徒出生順

1
2
3
4
5以下
小学生
37
41
15
4
7
中学生
15
21
2
1
0
合 計
52
62
17
5
7

36.家庭の経済状態

中上
中下
小学校
3
13
51
22
16
中学校
0
2
22
9
5
3
15
73
31
21

かん黙児生徒の兄弟姉妹数および出生順位については,表34,35のとおりであり,特記すべき点はみあたらないが,第二子にややその数が多いと思われる。さらに,家庭経済状態については表36に示すとおりである。中程度の家庭が多く,中の下および下のものがそれに続いている。したがって,一般的には,かんもく児の家は経済的にあまり豊かでないといえよう。しかし,上および中の上の家庭経済状態のものも認められることは,家庭の経済状態が絶対的な要因とはなっていないことを示すものであろう。

表37は,かん黙児童生徒に対する親の養育態度を示すものである。この表の示すごとく,父・


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