研究紀要第16号 学習指導改善に関する研究 理科実験 - 010/020page

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中 学 校 教 材

高感度照度計の製作

柴田 宣教

1.ねらい

 中学校理科の光教材に,とつレンズで作った像の明るさについてとりあげられている。像の明るさを市販の照度計でしらべても,よほど明るい像を作って実験しなければ,感度が低くて使えない。像を明るくしても像の大きさが小さいため,照度計感光部の一部分しか照らないので正しい明るさを示さない。

 以上のことから,像の明るさを調べるには受光面が小さく,しかも高感度の照度計を作らなければならない。光の強さを電流の変化として取り出すものに,光電管,フォトトランジスター,セレン光電池,硫化カドミューム,セレン化カドミュームなどある。

 硫化カドミューム,セレン化カドミュームは,電池につなぎ,素子に光を当てると,その電気抵抗が減少するので,電流が増加する。この電流の大小により光の強さを読みとることができる。硫化カドミュームでは光を当てない場合でもある程度電流が流れるが,セレン化カドミュームは光を当てないときの抵抗が数メグオームであり電流をほとんど流さないので,簡易な照度計として利用するにはセレン化カドミュームを使用する方が都合がよいようである。

2.材料

 セレン化カドミューム光導電セルFE-55H
 (シオヤ無線電機商会発売) ………………1
 抵抗 ……………………………1
 可変抵抗(1KΩボリューム) …………………1
 ターミナル…………2   中型ジャック ……2
 シャーシ……………1   スイッチ…………1
 電池ボルダー ……1   乾電池(単2)……1
 ゴム栓(1号)………1   100μA計…………1
 塩ビパィプ(=13o)……………………10p

3.製作

図-1,2,3

 図1の配線図にもとずき,アルミシャーシ内部に図2のように部品をとりつける。
 ジャックの開放防止装置をうまく利用し,ジャックを抜くとAにつながり(検)となり,ジャックを差すとBにつながり(測)となるように配線する。
 Aにつながる12Kの抵抗は,Cd−Seに150Luxの光をあてたときの電気抵抗である。

4.使用法

(1) ジャックを抜き,SをONし,100μAを示すようにボリュームを調節する。(電池の電圧を一定にする)
(2) ジャックをさせば,そのまま測定状態となる。
(3) 図4のようにLuxとμAの換算グラフを実験によって作る。このグラフは使用するメーターによって変るので,以後同一メーターを使用する必要がある。


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