研究紀要第17号 学校経営の改善に関する考察 現職研修 - 003/014page
方をしていないのが実情である。そこでこの調査でも厳密に定義づけることをさけ,各学校で使っていることばをすべて「現職研修」とおきかえて用いたものである。
イ 調査の観点
(ア)研修組織(学校経営組織・研修部内の組織)と研修活動の単位との関連。
(イ)研修分野と内容の傾向。
(ウ)研修計画と組織との関連。
(エ)研修推進上の問題点。
(3) 調査対象と方法
ア 対象
本県の小学校・中学校から学校規模別に無作為抽出により調査対象校を選んだ。なお分校は除外した。
調査対象者は現職研修主任を原則としたが事情によっては,校長以外の教員でもさしつかえないとして実施した。
調査対象数・回収状況は第1表のとおりである。イ 方法
調査の観点から15項の調査項目を設け,それらについて質問紙による調査を実施した。
また学校経営講座研修生27名に対する事例的補助調査を実施した。
第1表 調査対象・回収状況(昭49・11実施〉
学校種別 小学校 中学校学校規模 1〜6学級 7〜17学級 18〜学級 計 1〜6学級 7〜12学級 13〜学級 計公立学校数(49・5・1) 222 242 101 565 78 91 97 266調査対象数(校) 45 48 43 136 25 30 32 87回収数(校) 37 37 35 109 20 26 32 78回収率(%) 82.2 77.1 81.4 80.1 80.0 86.7 100.0 89.72 調査結果の概要
(1) 研修推進上の阻害点
第2表 校内研修についての満足度(学校規模別) 数値は%
小学校 中学校 1〜6 7〜17 18〜 計 1〜6 7〜12 13〜 計@ きわめて満足である 8.1 2.7 11.4 7.3 15.0 11.5 0 7.7A やや満足である 35.1 29.7 34.3 33.0 20.0 3.8 25.0 16.7B どちらともいえない 48.7 62.2 45.7 52.3 60.0 69.3 65.6 65.4C やや不満足である 5.4 5.4 8.6 6.4 0 15.4 6.3 7.7D きわめて不満足である 2.7 0 0 1.0 5.0 0 3.1 2.5研修に対する満足感の程度を5段階で質問した結果「Bどちらともいえない」が最も多く,ついで「Aやや満足である」があげられる。これらは学校種別や学校規模にはあまり関係なくいえるようである。CDが小学校・中学校とも10%以下なので,一見よい傾向のように見えるけれども,これは校内研修を全体的にみての反応であるから,個々の条件などに関してみた場合は,反対に90%強の学校でも何らかの問題点や改善点をかかえているとみることができよう。