研究紀要第17号 学校経営の改善に関する考察 現職研修 - 007/014page

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活動の単位をどこにおいてすすめているかについて調査した結果が第5表である。
これによると活動の単位は,小学校・中学校とも同じ傾向を示し,「(ア)学校全体の単一組織」が目立って高率を示し,「(ウ)教科部を単位とした研修」「(イ)学年単位の研修」はたいへん低率である。
これを規模別にみると,小学校・中学校とも学校規模が大きくなるにつれて,(ア)が(ウ)に移行してきているとみることができよう。

第6表 テーマと個人・共同研究(規模別) 数値%

小学校
中学校
1〜6学級
7〜17学級
18〜学級
1〜6学級
7〜12学級
13〜学級
(ア)学校の統一テーマを全員が同一歩調で共同研究している
89.2
81.1
48.6
73.4
93.6
90.0
53.9
43.8
57.7
87.2
(イ)学校の統一テーマを学年単位で共同研究している
2.7
8.1
17.1
9.2
5.0
3.8
3.1
3.8
(ウ)学校の統一テーマを教科部単位で共同研究している
0
2.7
31.4
11.0
0
23.1
34.4
21.9
(エ)学校の統一テーマをインフォーマルグループで共同研究している
0
0
0
0
0
7.7
3.1
3.8
(オ)学校の統一テーマはもたず,学年・教科毎のテーマで共同研究している
0
2.7
0
0.9
6.4
0
0
3.1
1.3
12.8
(カ)学校のテーマのサブテーマを設け,個人毎に分担して個人研究をしている
5.4
2.7
2.9
3.7
5.0
7.7
3.1
5.1
(キ)完全に個人の意図でテーマをもうけ個人研究している
0
0
0
0
0
0
3.1
1.3
(ク)(アイウエオ)と(カキ)のどれかを組み合わせた二本立ての研究
2.7
2.7
0
1.8
0
3.8
6.3
5.1

さらに第6表は個人研究と共同研究を研究テーマとの関連でみたものである。

これによると「(ア)全員同一歩調で共同研究している」が圧倒的に多く,小学校で73.4%,中学校が57.7%を占めている。割合は低いが小学校・中学校とも「(ウ)教科部単位の共同研究」がそれについでいる。(ア)・(イ)・(ウ)・(エ)をまとめて「学校の統一テーマを共同研究している」比率は小学校で93・6%,中学校では87.2%で,殆どの学校が統一テーマを何らかの形で共同研究していることになる。(ア)・(ウ)以外の項目の比率はごくわずかである。

また,学校規模別の点からみると,「(ア)全貝同一歩調の共同研究」の形態は,小学校・中学校とも大規模校になるにつれすくなくなり「(ウ)教科部単位による共同研究」の形態は規模が大きくなるにつれ増加の傾向を示している。

以上の傾向は当然ながら第5表の研修単位の傾向と一致している。全員同一歩調での共同研究から,学年単位の研究や教科部単位の研究重視の方向は,とりあげる課題とその内容充実の問題や,研究時間確保の問題などともからみあわせて,今後検討を必要とする点でなかろうかと思う。

(4) 研究組織

以上のようなテーマ研究の単位は学校規模(特に職員数)や研究領域・内容との関係で最適な形態がとられるべきであると同時にそのすすめ方には,それがじゅうぶんに機能を発揮することができるようなより効率的な組織面の配慮も必要である。

ア 学校経営上の組織および研修内部における組織の実態は次のようである。

・表7−(1)……研修組織は部制をとっているか,


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