研究紀要第17号 学校経営の改善に関する考察 現職研修 - 009/014page
ることができる。
(ア)・(イ)のタイプ……部制であって,しかも研修主任または副主任中心ですすめられ,それ以外に役割分担がされていない。
(ウ)・(エ)のタイプ……委員会制で組織的に審議・計画がすすめられている。また部制であっても主任・副主任以外に役割分担がなされている。(ア)・(イ)のタイプは中学校大規模校を除き規模が大きくなるにつれ比率が低くなり,(ウ)・(エ)のタイプはその逆の傾向にある。これらについては,職員数の多少をはじめ,その他の要素との関係なども含め,より効率的なタイプの組織編成をはかるべきであろう。
第8表 研修組織への満足感 数値%
小学校 中学校 1〜6学級 7〜17学級 18〜学級 計 1〜6学級 7〜12学級 13〜学級 計(ア)じゅうぶんである 70.3 75.7 88.6 78.0 85.0 73.1 68.8 74.4(イ)不じゅうぶんである 29.7 24.3 11.4 22.0 15.0 26.9 31.2 25.6イ 現在の研修組織は,研修計画の立案や実践・評価などの役割をはたすうえで,じゅうぶんであると感じているかどうかを調査した。
その結果(第8表)では,「現在のままでじゅうぶんである」という回答が小学校では78.0%,中学校では74.4%あり,大多数の小学校・中学校では自校の研修組織を是認していることになる。しかし,規模別にみた場合の比率の増減は,小学校では規模が大きくなるにつれて「じゅうぶんである」の比率が増しているが,中学校の場合は,その逆の傾向をていしている。
「じゅうぶんである」ということは,組織の機能がじゅうぶん発揮されているということと,研修はその内容・方法が問題であって組織のよしあしは問題ではないという両者の考え方が含まれていると思われる。
「不じゅうぶんである」という内容を理由別にみてみると,その傾向は小学校・中学校ほぼ同じであるが,これを規模別にみた場合,小規模校では主として教員数の不足からくる理由が,そして大規模校においては,学校経営組織内における他との関連性の問題が理由としてあげられている。
《不じゅうぶんであるとする理由》( )内は小学校
・中学校別
(小規模校)
・ リーダー級の教員がすくない(小)
・ 職員数が少なく,組織があっても意味がうすい(小)
・ 役割が不明確である。(小)
・ 職員数が不足のため,兼務が多く,運営に専念できない(中)(中規模校)
・ 教務が研修組織の一員となり,行事や学校全体の運営との関連を密接にする必要がある(中)
・ 個人研究を主にすすめる場合,組織としての役割をじゅうぶん発揮できない(小)・学校運営組織内の位置づけが不じゅうぶんである(小)
・ 校務分掌との関係で専念することができない(中)
・ 係の人員が不足である(中)(大規模校)
・ 学年間・学年内の相互関連が弱い(小)・学校の他の運営組織との関連が弱い(小・中)
・ 共通理解をもつ上で,相互のつながりが弱い(小・中)
・ 研究委員会の構成が多岐で,横の連けいが