研究紀要第17号 学校経営の改善に関する考察 現職研修 - 012/014page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

第11表は,実際におこなっている研究法の骨子について調査したものである。
最も比率の高いものが,「(イ)教育研究法に準じた一貫したすすめ方」で小学校が53.7%,中学校が42.3%を示し,約半数の学校が(イ)の方法をとっている。テーマや,その研究活動の単位との関係などいろいろな条件にもよるが,一般的に望ましいすすめ方であると考えられる。

以上のことから,評価あるいは研究法を含めた全体計画の立案は,立案そのもののあり方と同時に,立案のための組織などの点についてもぜひ配慮しなければならないことと思われる。

(6) 活動単位と組織

組織と活動単位との関係をとらえるために運営組織上の位置づけ(第7表−(1))と研修部内組織(第7表−(2))ならびに研修活動の単位(第5表)を関連づけてみたのが第12表−(1)・(2)である。

表12表−(1)組織と活動単位

タイプ
表7−(1)
表7−(2)
表5
(制)
(役割)
(活動単位)
a
(部)=(主・副)=(単一)
●研修の全体組織・活動単位の両面とも単純である場合
b
(部)=(主・副)=(教・学・他)
●研修の全体組織面が単純で,活動単位が多様な場合
c
(委・部)=(係)=(単一)
●研修の全体組織面が体系づき,活動の単位が単純な場合
d
(部)=(係)=(教・学・他)
●研修の内部組織が体系だっていて,活動単位が多様な場合
e
(委)=(係)=(教・学・他)
●研修の全体組織・活動の単位の両面とも多様な場合

注  
 部……部制 ・委……委員会則 
 主……主任のみ ・副……主任と副主任のみ 
 単一…学校全体の単一組織 
 教……教科部単位
 学……学年会または学年団の単位
 他……併用

その結びつきは、第12表−(1)のとおりおよそa・b・c・d・eのタイプにおさえられる。

aのタイプは,活動全体のまとまりはつきやすいが,企画や運営ならびに実際活動面で問題が予想される。

b・cのタイプは,多様な活動に対応できる組織であるかという点や実際活動以前の複雑さなどの点で問題がひそんでいるように思われる。dのタイプは,研修自体と学校運営上との関連に配慮が必要と思われるし,cのタイプは,組織・活動ともに複雑で実際活動をさまたげるような場面がおこらないよう配慮が必要でなかろうか。複雑だからよいわけでもなく,また反対にあまり単純すぎるのも好ましいとは限らない。学校の実情に即応した効果的な活動単位と,その活動を推進するために必要な組織との両面から考慮する必要があろう。

第12表−(2)学校規模別タイプ 数値%

小学校
中学校
1〜6
7〜17
18〜
1〜6
7〜12
13〜
a
67.6
25.0
8.6
34.3
65.0
26.9
24.9
35.9
b
2.7
5.6
17.1
8.3
5.0
15.4
21.9
15.4
c
29.7
52.7
28.6
37.1
30.0
42.3
18.8
29.5
d
0
2.8
11.4
4.6
0
7.7
12.5
7.7
e
0
13.9
24.3
15.7
0
7.7
21.9
11.5

第12表−(2)から比率の高い順に2・3あげると
小学校は,c・a
中学校は,a・c

小学校と中学校の主なタイプはともにaとcが高い比率ではあるが順位的には逆であり,中学校のbは,小学校に比し高い比率である。

また,学校規模別に見ると次のようである。
《小学校では》
小規模校がa・c
中規模校がc・a
大規模校がe・c

小規模校・中規模校は,全体が単純であるか,活動が単純であるというかたちであり,大規模校は全体が多岐であるか組織が多岐であるという傾向をしめしている。全般的には小規模校から大規模校になるにつれ,多岐なかたちがとられている。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。