研究紀要第18号 教授組織に関する考察 - 002/027page

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2.協力組織体制と活動(紀要第13号)

(1) 学校組織上からの教授・学習組織

 学校組織のとらえ方は,いろいろあろうが教授・学習組織,運営組織,事務組織とすることができよう。教授・学習組織は,児童,生徒の指導に直接関係する活動体系であり,運営組織は,職員会議,各種委員会などの関連的な構造である。事務組織は,従来の分担業務の「わく組み」になるだろう。各組織は機能的な活動ができるよう内的秩序が整えられるとともに,構成単位に共通性が必要である。その単位としては,学年・あるいは学年団,または研究部が考えられよう。各組織間の統制は,教授・学習組織が基盤となって,委員会の構成や事務分担が行なわれるようになるだろう。こうした構想をとることは,あらゆる機会と場において,役割分担の活動や業務を関連的に遂行できるようにするためである。

(2) 協力組織活動

 計画し,実践し,そして評価のサイクル的な教育活動を学年,あるいは学年団または研究部を基盤として,協力しながら行なうことである。計画は、学級担任による教育の長所を残しながら,教師の特性を生かした役割分担により,集大成の教育効果を期待できるようにする。

@ 基調案の作成
 基調案は指導計画作成の骨組みとしてつくられる。これはリーダーが行なうのであるが、合議によってつくられることもある。
基調案は,教材の段階的な配列,教師の役割分担,時間配当,集団の形態などを示すものである。基調案により各メンバーは必要な資料を整え,分担内容を具体化したものをもちよって,単元指導計画の作成に入ることになる。

A 単元指導計画
 単元指導計画は,教授過程,教師の役割分担,集団の形態を示すものである。教師の役割分担は,主となる教師,協力する教師の立場を固定したものと考えず,ともに主体性を尊重するようにしたい。

B 集団の形態
 大集団(2学級以上の合併),中集団(単位学級程度),小集団(1学級の1/2以上の分割)に再編成することである。一般的にみて,「問題はあく」「まとめ」の段階は大集団,理解や検証段階では小集団による教師の協業と分業が考えられる。

C 協力評価
 目標達成の上での内容や評価項目の対応など細目標との関連について。
 ・特性を生かし,主体的活動を展開するのに十分であったかなどの役割分担について。
 ・個々に学習が成立し,自己調整が活発におこなわれたかどうかなどの学習指導形態について。
 ・教授,資料提示,発問などが一体的に成立し,効果的反応がえられたかなどの教師の活動について。
 ・積極的に理解確保に取り組み,その結果の応用・転移に意欲がみられたかなどの児童・生徒の活動について。

D 学習の基本様式
 授業内容以外の抵抗をのぞくため,学習の一般的態度・発表の訓練などを一定し,共通理解のもとに徹底させる必要がある。

 

U実践内容

  (実践校における実践その1)
  (実践校における実践その2)


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