研究紀要第18号 教授組織に関する考察 - 003/027page

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実験校における実践 −その1−

安達町立下川崎小学校

1.学校の実態

 本校は,過疎化現象がみられる農山村地帯にある。保護者の90%以上は,農業経営者であるが,割合に出稼ぎが少なく,生活の安定が見られる。教育的関心も強く,学校に対する協力体制がよい。
 学校規模は,次のとおりである。

職員数
校 長
教 頭
教 諭
1
1
4
6
 
 
3
3
1
1
7
9

児童数
低学年団
中学年団
高学年団
合計
1
2

3

4

5

6

7
7
7
3
9
10
43
10
4
6
9
8
5
42
17
11
13
12
17
15
85

 小規模校少人数学級であるだけに,指導上いろいろと長短を合せもっている。

 第1に,教師と児童は親しく,家庭的な愛情がみられ個別指導がゆき届く,その反面,音楽科の合唱・合奏,また体育科のボール運動・集団行動などでは,じゅうぶんな学習活動が期待できない。

 第2には,児童は相互の性格・能力などがわかり,親しい仲間意識をもっているが,一様化された人間関係で変化に乏しい。しかも集団内において,児童の順位が固定化しやすく学習意欲が停滞しがちである。

 そこで本校では,少人数学級の問題点を除去し,学習指導の改善をはかる観点から,近接2学年による協力教授をとり入れている。

2.研究経過の概要

(1) 昭和46年度

 教育センターの指導を受けながら「教授組織の改善」というテーマのもとに,基礎研究をすすめ,本校の教育課題を解決していく手がかりを求めた。

@ 研究のねらい
 ア 適正な学習集団の弾力的な再編成
 イ 教師の特性を生かした教授分担の構成

A 研究内容と方法
 ア 個別化・集団化の観点から,大集団・中集団・小集団編成を試みる。
 イ 近接2学年を合併した体育科の複数授業のための教授組織と分業・協業のあり方
 ウ 研究の椎進母体を学年団におく。

(2) 昭和47年度

 教授組織の充実をはかるため,運営組織・事務組織上の分掌内容を整理・統合し,これらの業務を各学年団で分担し,処理する方策を講じた。

@ 経営組織の改善
 ア 教務部−高学年団
 イ 指導部−中学年団
 ウ 管理離−低学年団

A 体育科のほかに音楽,図工を加え,協力教授の拡大を試みる。
 ア 音楽科一部器楽領域
 イ 図工科の一部単元


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