研究紀要第18号 教授組織に関する考察 - 022/027page

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(10) 結果と考察

@ 指導計画
 ア 学習目標や相互協力のポイントを示したことは効果的であった。
 イ 教材の分析や指導案の吟味には分担協力してあたったが,時間不足であった。
 ウ 予定の時数2時間では目標を達成するのに無理のようである。

A 教授過程
 ア 個人やグループの学習のねらい・ポイントがはっきりしていたので,自主的に話し合ったり,なおしあっている姿がみられた。
 イ 3教師による協力分担が事前の話し合いにより徹底されていたので指導の手がゆきとどき大事なポイントをしっかりつかませることができた。
 ウ 技能段階が明示されていたので,段階的指導の徹底がはかられた。
 エ 練習時のカード活用には困難点がみられたので,くふうしたい。

B 教師の役割分担
 ア バランスのとれた教材領域の組み合わせが可能であった。
 イ T1が体育専門であったので教材研究,および実践の各段階での助言がえられ,役割分担に充足感があったし,個別指導や準備が徹底できた。またT2T3の分担内容が教材研究の段階で明確になり,分担した集団の指導をより適切におこなうことができた。

C 学習集団
 ア 話し合いや説明(大集団)のときの隊形に留意した。
 イ グループの人数については,能力の実態に応じて組み分けしたので各グループのバランスはくずれたが,ある程度やむをえないと思われる。
 ウ 上位グループに引き上げた場合その人数が多くなるので,待機している児童の場所や運動量が問題になってくるが,待機中児童相互の話し合いがなされたことは効果的であった。
 エ 教師が直接指導にあたらないグループについては,学級のきまりや集団訓練によって安全に練習ができた。

D 児童の反応
 ア いつもより練習が多くできた。もっと長くやりたかった。
 イ 自分のねらいがよくわかっていたので何をするのかわかりよかった。
 ウ グループの人に注意してもらったので欠点をなおすことができた。(なおそうと努力した)
 エ 家に帰ってからや休けいの時にも練習してじょうずにやることができた。

5.学習指導事例(第6学年理科複数授業)

(1) 題材 ものの燃え方

(2) 指導計画の作成

 指導計画の作成にあたっては,題材のねらいや学習内容・方法などの点から最も協力教授の効果が期待できる場面の吟味をすすめた。

@ 児童の実験検証の方法が複雑多岐にわたる場面。
A 学習過程において,多様な思考活動が予想される場面。
B 安全管理上特に留意する必要がある場面。
C 特に資料の提示などに各種の教育機器が必要とされる場面。
D 実験における基礎的操作能力を重点として身につけさせる場面。

 以上の視点から基本案が作成され,この基本構想にもとづいて2教師間でのミーテングにより,内容の検討・資料の収集・分担内容の具体化など,お互いのアイデアを出し合い,確実に共通理解をはかりながら決定した。


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