研究紀要第19号 児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育 - 004/032page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

こと」が減少し,「いやなこと」へ移行する傾向にある。
反面,無関心層は,学年間であまり変化はみられない。したがっていらいらした精神不安定の子が,年齢とともに増加していると推測することはできるし,いままでの継続研究社会観,人生観の調査結果にもあらわれている。なお現代っ子の自我の強さが,子どものガマンと忍耐の涵養を疎害し,不満の増大をもたらしているのではなかろうかと推測できよう。

ただ,学校生活よりは,家庭生活の不満度合いの,やや低率なのが,救いといえる。
どんなことが,気がかりでいらいらする原因になっているかは,面接調査の項を参照してほしい。

2.自分の家のしつけについてどう考えているのだろうか。
表7 (単位%)

小5

小6
小学校計
中2
中学校計
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
1.とてもきびしい
9.0
7.1
7.0
3.0
5.1
6.5
6.6
3.9
6.8
5.2
6.4
1.3
5.2
6.2
5.8
3.8
2.少しきびしい
14.6
25.7
17.6
32.4
15.6
15.8
18.7
23.7
16.7
24.1
10.4
13.1
27.7
15.0
19.0
14.1
3.ふつう
63.7
60.1
70.2
60.1
69.0
59.3
66.8
65.8
67.5
64.1
70.2
76.4
60.6
73.8
65.4
75.1
4.きびしくない
12.7
7.1
5.2
3.0
9.1
11.9
5.4
5.3
7.9
6.9
13.0
9.2
6.5
5.0
9.8
7.0
5.少しもかまわない
0
0
0
1.5
1.2
6.5
2.6
1.3
1.1
2.4
0
0
0
0
0
0

小・中学生で,家庭のしつけがきびしいととらえている者は,3.8〜6.8%ぐらいである。少しきびしいを合計しても20%前後で全体の5分の1である。かりに,図2のいやな生活と表7の家庭のきびしさが加わり,家庭をおもしろくないと感じながら,成長していく子どももいるだろう。しかし,消極的に反抗を試みながら,気の進まないままに生活する者もいるようだ。だが,反抗などみられずひたすら従順な子になってすごす者が,小・中学生の大部分と思われた。しかし,表面は,従順で,腹の中ではどうでもよいと考える者が多いために,とてもきびしい,少しきびしいの比率が予想より少なくなっていると思われる。

これは親子の関係から詳細な分析をする必要がある。また,反面少しもかまわれないものが,皆無の状態であるのは,親子の心のつながりが極めて良好なことを示すものであろう。

3.家の手伝いは,どんな状況にあるのだろうか。
表8 (単位%)

小5

小6
小学校計
中2
中学校計
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
1.進んで手伝う
9.0
2.8
15.7
7.6
9.0
7.8
13.3
10.5
11.7
7.3
5.1
9.2
9.2
17.5
7.1
13.3
2.ときどき手伝う
45.5
42.9
50.9
46.2
56.0
39.7
56.1
51.4
52.7
45.0
36.4
26.3
40.8
17.5
38.6
21.8
3.ふつうに手伝う
25.5
37.2
26.4
38.7
15.6
30.3
26.6
35.54
23.2
35.2
51.4
46.1
63.8
40.6
57.7
 
4.あまり手伝わない
20.0
15.7
7.0
6.2
16.9
15.8
4.3
2.6
11.7
10.1
20.8
11.8
2.6
1.2
11.8
6.4
5.ぜんぜんやらない
0
1.4
0
1.5
2.5
6.5
0
0
0.7
2.4
2.5
1.3
1.3
0
1.9
0.6

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。