研究紀要第19号 児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育 - 007/032page

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図.5
図.5
きまりがあっても守るのは全体の20%前後とみてよいし,守らない者は1.9〜6.4%で少数である。
( )の数字は,きまりのない者のパーセントで約半数の者は,規約がなく仕事の面で自由であり,また手伝いのため時間のさかれる心配はない。それで家庭では人間の基礎となる仕事に関心のむかない状態と,約束された仕事もなく,無計画,無目的のパターンがあらわれてきて仕事を追い払い,学習一辺倒の生活があらわれだしてきている現状を見のがしてはならない。

8.まとめ
ここでは,家庭の状況をとらえるための基礎資料として,家庭の状況調査と技能の発達をささえる意味での手伝い状況調査,手伝いの約束ごとの有無,きまりの守りかた,手伝いへの家人の態度,生活に役立つと思うか,などの意識を探ろうとした。

全般に,手伝うことは,@学年が進むと低率になり,実行もされない。A手伝いに性差がみとめられなかった。B手伝いは将来の生活に役立つなどと考えている。しかし,タテマエと本音のズレがあり実行には移されない点が目立つので,今後の家庭教育では,自主自律の生活の礎となる“仕事”に,目をむけ見直していくべきときではなかろうか。

調査U 基礎技能の発達状態

1.小刀をつかって鉛筆がけずれるだろうか。
表11 (単位%)

小5

小6
小学校計
中2
中学校計
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
都市
農村
1.じょうずにけずれる
25.5
5.7
10.5
7.7
9.1
13.2
4.0
6.6
12.6
7.0
35.1
30.3
15.8
15.0
32.7
15.4
2.ときどきけずれる
23.6
31.4
22.8
21.5
24.7
19.7
20.0
19.7
24.8
20.9
10.4
11.8
19.7
7.5
11.1
13.5
3.ふつうにできる
23.6
44.3
42.1
47.7
50.6
46.1
52.0
63.2
42.4
52.0
42.9
50.0
44.8
70.0
46.4
57.7
4.よくけずれない
27.3
12.9
24.6
20.0
14.3
18.4
21.3
10.5
17.6
18.7
9.1
7.9
19.7
7.5
8.5
13.4
5.ぜんぜんできない
0
5.7
0
3.1
1.3
2.6
2.7
0
2.5
1.4
2.5
0
0
0
1.3
0

小刀の扱いの発達状況は,小・中の間に顕著な差が,認められなかった。


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