研究紀要第19号 児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育 - 020/032page

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うちょうの使い方などは,男女による経験度合いが影響してか「できない」という意識と男女による個人差と発達によるズレの大きさがうかがわれる。

概して発達した面は,電話の受け答え,茶のいれかた,あいさつ,計画的にものを買うなどは,低年齢ほど早期にできるようになり積極的にやる意志が働いているように思う。

おつかいについては,男女とも時代の影響より家族間のモラルによる影響が大きく,順調に深められている。

また指導時の効果が活発にとりいれられ,ごはん,おかずつくりなどは,意欲が高まり実践へのはしわたしとなるので,教師の手のさしのべ方と個人の指導が問題点となる。それは,児童・生徒の調和のとれた心身の発達を促すための具体的指導構成や手順・学習の方法などをめざすことにつながるであろう。

調査III 教科の学習状態

1.家庭科,技術・家庭科の学習は,すき,きらい,どちらだろうか。
図.39
図.39
家庭科,技術・家庭科のすき,きらいを調査してみたが,男子よリ女子がすきの傾向にある。ただし小学校より中学校へいくと興味の持続性がなくなるので,指導の点も実践的教科の性格から興味ある指導が,今後の問題となろう。

2.どんな学習内容に興味がむくのだろうか。
家庭科,技術・家庭科の学習内容として8項目をあげ(ただし家庭生活に関係の深いもののみ)すきな順に1〜8と番号をつけてもらいその割合を風配グラフにあらわしてみた。

1お客のもてなし 2みのまわりのものや被服の製作
3調理の実習 4ミシンの操作
5すまいのそうじ 6洗たく実習
7家庭工作 8家庭電気器具の修理

次頁図形の1〜8までの数字は,1は最も順位が高く,8はいちばん低いものをあらわしている。
男・女のプロフィールは,小中とも似かよって印象的であるが,一部に,男・女の特質のちがいで,客のもてなし,被服の製作は,女子が男子より順位が高い。それにくらべ家庭工作,家庭電気器具修理は,男子の順位が高い。親の育てかたや環境に影響されてか,男女にむくのが,はっきりでていて興味や好悪の状態がわかる。ただすきなことと興味が技能の伸びと関係がでたので注目したい。


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