研究紀要第19号 児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育 - 025/032page

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A類型群は家庭科,技術・家庭科の成績のよい者で,B類型群は,成績の悪い者と分類したが,結果のよい者は,成績も悪くないようである。学校の製作物で,自分なりにできばえのよいのが,認められるという形で,称讃されることから,より伸ばす方向へむき,意欲が湧くのではなかろうか。

ただ家庭科,技術・家庭科の成績なので,技能面が多く,教科のなかでいきいきした活動を実現するものであり,それが成績へつながるものとみてよいのだろうか。だが技能のたくみな子が,成績がよいときめてかかる点だけは警戒したい。
表30. (単位%)

できぐあいのよい者

できぐあいの悪い者
小5
小6
中2
小5
小6
中2
A群
●8.5
●11.5
●13.1
2.0
2.8
2.2
B群
2.1
1.9
1.7
2.0
1.7
0.8
A群
●11.3
●14.5
●13.1
1.6
1.5
2.6
B群
0.5
0.9
1.3
0.9
0.2
1.2

5.家庭科,技術・家庭科のすき,きらいと成績の関係
家庭科,技術・家庭科の学習のすきなものは,成績がよいとの結果である。
「すきこそもののじょうずなれ」で,すきなことが成績のよさに関係するようで,学年が,進むほど少差ではあるが,成績がよいようである。ただ,学習のすきな者は,理解がよく,記憶,能力が十分生かされて,成績がよいと認めてよいのだろう。
表31. (単位%)

家庭科がすき

家庭科がきらい
小5
小6
中2
小5
小6
中2
A群
●9.4
●12.1
●13.7
1.1
2.1
1.5
B群
2.9
1.9
1.5
1.2
1.7
1.1
A群
●12.6
●15.6
●14.3
0.2
0.3
1.4
B群
1.3
1.5
1.6
0.1
0.1
0.8

6.学習態度と成績の関係
表32では,態度のまじめな者が成績がよいとの結果がでている。困難なことに直面しても自分なりにまじめにのりきる態度が大事で,子どもたちの行動様式が問題となる。
困難な課題を自分の力でまじめに解決する態度が,人格形成にも真の成績の向上という意味からも現代っ子には,重要なことになる。
表32. (単位%)

態度のまじめな者

長つづきしない者
小5
小6
中2
小5
小6
中2
A群
●9.2
●10.1
●13.0
1.3
4.1
2.2
B群
2.3
1.5
2.1
1.7
2.1
2.2
A群
●10.8
●14.5
●14.8
2.0
1.4
0.9
B群
1.3
1.3
2.0
0.1
0.3
0.5

7.性格と家庭科の成績との関係
ものを製作する場合気にして心配する人とぜんぜん気にしない人のタイプがあるが,気にするタイプのほうが成績がよい。A群をみると学年が進むほど小率だが上昇するのがわかる。気にする性格が,仕事を早く計画的に処理することが成績に影響し,自分をより高めることになると考えられる。
表33. (単位%)

できあがりを気にする性格

できあがりを気にしない性格
小5
小6
中2
小5
小6
中2
A群
●9.2
●11.9
●13.8
1.3
2.7
1.4
B群
3.0
2.4
1.9
1.0
1.1
0.6
A群
●11.7
●14.7
●14.9
1.1
1.1
1.1
B群
1.2
1.2
1.9
0.1
0.3
0.5

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