研究紀要第19号 児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育 - 026/032page
8.まとめ
学習に対する態度はまじめな者,教科のすきな者,できあがりを気にする性格の者が,成績がよいとでたが……。(どれひとつあげてもつねにいわれていることが立証されたにすぎない。)ただ仕事を手伝う者が成績がよいという結果は,知識をつめこむよりは,仕事をとおし学ぶ楽しさを身につけた方が,効果的だし,得た知識を生活に生かすことがよいと思う。それは授業の中味で,教師対児童の交流を深め追求する場を考慮すべきである。
要は「授業を軸にした実践を」と提唱し,全勢力を授業に傾注すべきであろう。
B 面接調査からみた意識と実態
1.調査の主な内容
本調査の経過と方法のところで述べたように,質問紙の内容で探りえない子どもの本音を知るために面接法による調査を試みた。
調査内容は,次のような項目をきめて実施した。@学校生活で気になることがありますか。
・ある ・ない
ある場合はどんなことでしょうか。A家庭生活で気になることがありますか。
・ある ・ない
ある場合はどんなことでしょうか。Bお客さまがいらっしゃった場合,お茶をいれて手伝うことができますか。
・できる ・できないア、できる入は,どんなふうにして手伝いをしましたか。お湯のそそぎ方は?
・きゅうすに沸騰したお湯をすぐつぐ。
・沸騰したものを少しおいてつぐ。
1分 2分 3分イ、どの茶わんにも同じこさにつぐ場合
・1つずつじゅんじゅんにつぐ。
・はじめに半分ずつつぎ,おわりから逆にまわって残り半分をつぐ。
・はじめから,1,2,3,4,5,6とつぐ。
ウ、湯の量は,茶わんにどのくらいつぎましたか。(いっぱい,半分,八分目)
エ、つぎおわったきゅうすの中に湯は残しておきましたか。
・少し残した
・ぜんぜん残さないCふろしきのちょう結びについて実施する。
(何秒ぐらいでできるか)D針でぬってみる
ア、針の穴に何秒で糸が通せるか。
イ、2分間でどのくらいぬえるか。
(1)から(5)までの面接調査のうち,(1)と(2)は,心の発達面をとらえる設問である。(3)は家庭生活のお手伝いで,お客さまに対する接待法で,お茶のつぎ方はどんな状態かみる。(4)と(5)の設問は,児童・生徒の個々における技能の差や変容の姿を1つの角度からとらえようとして実施したものである。 2.調査結果の概要と要点
(1〉インタビューの概観
調査対象は,小学校5年(30名)6年(30名)中学2年(30名)ずつの男女で合計180名である。
技能の発達調査の関係上,5年生から家庭科の授業があるので,小学校では5年と6年生,中学校では,中間の2年生に面接した。児童・生徒は,調査者とは直接かかわりあいがないが,10名ずつのグループインタビューなので,自由なふん囲気のなかから卒直な意見が聞かれて有効な資料が得られた。小 学 校
(2)印象的な発言内容
(注 T………インタビュアー C1……男子児童 C2……女子児童)
@学校生活