研究紀要第19号 児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育 - 028/032page

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 C2 父が酒を飲むこと。

欲求充足度は,小学校の場合,友だちや教師から承認をえたい欲求が底流にかなりあるのが目だつが,中学校では,活動力の発散(エネルギーの昇華)が大事で,それがパーソナリティー形成に大きく左右していることが面接調査よりうかがわれた。

欲求充足度は,父母を例にとると小学校では,弟妹より多く叱られるとか,自分への関心が問題だが,中学校は,基本的な問題より性別・能力による差別が意欲と自信喪失へ発展する。また経済を考えた将来,真の友人としての異性への目が,正しく育って社会的承認と自己実現の課題が根本問題のように思えた。

Bお茶のいれかた
表34.
 (単位%)

小5

小6
中2
1.できる
80
100
86.7
100
90
100
2.できない
20
0
13.3
0
10
0

小・中学生とも80%以上が,お客さまがいらっしゃったらお茶をつぐことができると語っている。
その状態はどうかア〜エまでききあたった。P16では,五段階法であるが,傾向としては,似かよった結果が得られた。

ア、きゅうすにお湯のそそぎかた
お茶の種類によって,時間もかわるが,ここでは煎茶や玉露を想定し,1〜2分おくことを正答として結果をみてみる。
表35. (単位%)

小5

小6
中2
すぐつぐ
58.6
16.7
33.3
25.0
80.1
30.1
1分おく
37.9
40.0
40.0
70.8
19.9
69.9
2分おく
3.5
43.3
16.7
25.0
0
0
3分おく
0
0
10.0
4.2
0
0

湯をきゅうすにすぐつぐのは,女子より男子に多い。6年生は「5年の来客の接待」で学習したことが生かされ正答率が高いが,中学生は,忘却も目立ってくる。
湯をきゅすに「すぐつぐ」というが,湯が高温だときゅうすにうまくはいらないことを経験するが,知識や技能の習得過程で実習されないと科学的理解がされず,生きて働く学習になってこず,実習の再認識をと叫びたい。

イ、お茶を同じこさにつぐくふう
表36.
 (単位%)

小5

小6
中2
1.じゅんにつぐ
45.3
43.3
53.3
6.8
52.6
15.1
2.半分づぎ逆まわりにつぐ
31.0
40.0
16.7
46.7
5.3
60.0
3.半分ずつつぎはじめにもどってつぐ
20.7
16.7
30.0
46.7
42.1
24.9

同じこさにつぐことの正解は2であるが、みんな知っていても同じこさにつぐ実習を通し,お客様に対し人間同志の温かさと快よいふん囲気,茶の分量の吟味から同じこさへの配慮など,科学的に比較検討する学習の場を講ずる必要があろう。たとえばお客の3人のとき矢印の方向に1〜6とつぐことの是非について確認しあい,知識の定着をはかりたい。
同じこさにつぐ

ウ、湯の量
茶わんいっぱい湯をついだ者4.0%,、半分ついだ者5.4%,八分目ついだ者90.6%で,大部分の者が正答である。「腹八分目食べる」とか「茶わん八分目つぐ」などの母の生活態度が子に反映し,自分の動作をより適切にコントロールしてるといってもよかろう。

エ.つぎのこしの湯は,きゅうすにあるか
全体で残さない者,67,3%,残しておく者32.7%で,後者は,湯をそのままにし,茶のでがらしになった経験から,湯をのこさないよう改めたと


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