研究紀要第19号 児童・生徒の発達の特徴に応ずる教育 - 029/032page
いう考えがでてくる。
本調査からは,学年が進むと実行は上昇するが,それが正しく健全な発達へ移行するとは限らない。
行動が地域の習慣におし流されてユガミのでやすい状態にある。たとえば来客の場合,子どもは関係ないといって戸外へ出されたり,家族の一員として紹介されなかったり,訪問先でも子どもが別扱いされることが多いようでは,子どもの立場と子どもの果たす役割が認識されるチャンスがない。
この現状をよくは握して,子どもにふさわしい生活の場を与える親の配慮が必要になってくるだろう。
Cひものちょうむすび
図.45 平均タイム
左の表は,全体の平均の早さの表である。学年が進むと早くなるのがわかるが,できない者が,全体の20分の1ぐらいで,質問調査と同結果がでている。180名中,むすびかたの早いのは,学年に関係なく5秒,遅いのは40秒(小5,男)かかって個人差は,35秒で,早い者より8倍もかかっていた。
D針で縫ってみる
・ぬい針 小もめん
・ぬい糸 もめん赤,黒1本60p,細口30/3ア、糸とおしの時間
糸とおしには,時間の差が認められるので,平均してあげてみる。
図.46糸とおし
いちばん早い子は,0.5秒,遅い子は,56秒である。上学年にいくにしたがって女子は,早くなるが,男子は,逆現象を呈する。これは,糸とおしの熟練度合いと関係し,女子は早さを増すようである。
イ、2分間でぬう長さ
布はさらし木綿で,50pの長さのもの,2枚おりを用意する。針に糸とおしを実施後,糸はしに玉結びをし,用意はじめで実施させた。結果は下表のとおりで,各自針をもつ経験は,全員もっているようである。
表37.本ぬいの長さ
小5 小6 中2 男 女 男 女 男 女 1 12p 16p 35p 19p 19p 30p 2 ●10 19 33 ●16 24 15 3 24 20 32 28 19 37 4 21 17 16 24 27 42 5 26 (26) 27 18 25 35 6 31 ●5 25 20 27 35 7 (32) 13 29 (39) 26 29.5 8 29 26 ●15 21 20 (47) 9 12 8 (40) 34 ●16.5 29.9 10 20 23 17 20 26 ●13 11 21 33 23 21 24 30 12 22 23 34(39)
32 31 13 19 19 22 27 (47) 25 14 18 9 25 28 22 18 15 13 24 27 19 19 22※15名抽出 ( )早い者 ●おそい者
図.47 2分間でぬう平均の長さ
一般に手ぬいにかけては,女子が長く縫うであろうの通念はくつがえされて,男・女子5年生では変わりないものといってよかろう。しかし美しさとうまさという点から考えると問題が残るが,下