研究紀要第20号 高校生の精神衛生・特に自殺および自殺未遂行為に関する考察 - 006/021page
さらに,各高等学校において実施されている性格テストの種類別一覧を示せば,表2のようになる。これによれば,Y-Gテスト(矢田部・ギルフォード性格テスト)が最も多く実施され,その数は全日制高校79校のうち,20校,25.3パーセントにおよんでいる。
これは,Y-Gテストの信頼性が高いことに加えて,プロフィールの読み取り方によって,多面的,多目的に使用することができること,また,過去3年間にわたる当センター教育相談研修講座でのY-Gテストの演習の実施が,ようやくその普及をもたらし始めてきたためと解される。
Y-Gテストに次いで,クレペリン・テスト,職業適性テストの実施校が多い。これらのテストは,普通科コースの高校に比し,実業コースの高校において特に多く使用されており,実業高校の教育目的の一つである適正な進路指導(職業指導)を科学的に推し進めるためには,非常に望ましいことであると解される。
なお,この表にはその詳細が掲げられていないため、90〜100パーセント近くの生徒が大学進学を希望する,いわゆる進学校においては,磐城高校の進路適性テスト,会津女子高校のY-Gテストを除いて,まったく,いかなるテストも実施されていず,極めて残念であることを付記しておく。
2 テスト別一覧表
テスト名 県北 県南 会津 いわき 相双 計Y-Gテスト 3 7 9 1 20S・Gテスト 3 3T・Kテスト 1 1S-Tテスト 1 4 1 1 7マルチ・テスト 1 1 1 3クレペリン・テスト 1 2 3 1 1 8生活指導診断テスト 1 2 3P.P.Cテスト 2 2P.P.Lテスト 1 1職業適性テスト 3 4 3 2 12職業興味テスト 2 2職業レデーネステスト 2 3 2 7職業能力テスト 1 1行動・性格診断テスト 1 1運転適性テスト 1 1向性テスト 1 1 2PAIテスト 1 1非行予測テスト 1 1精神健康度テスト 1 1L・M・T式テスト 1 1進学適性テスト 1 1 計 28 21 11 14 79