研究紀要第20号 高校生の精神衛生・特に自殺および自殺未遂行為に関する考察 - 016/021page

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   21 個人指導

地区
県 北
県 南
会 津
いわき
相 双
教育相談の実施
3
9
8
3
5
28
内面的・個別的指導
2
3
4
 
1
10
異性の教師による相談  
1
     
1
動機・原因の追求排除
2
9
5
3
1
21
早期発見(調査・観察)
2
9
6
2
7
26

 (12) 予防処置および対策指導−友人の利用

友人の利用については,表22に示されたとおりの集計をえたが,友人関係をうまく利用して,自殺未遂生徒を矯正治療していくべきだとする考えは,大いに賛同されることである。しかし,自殺行為に走るものの中には,友人から孤立し,ただ一人自分の生活を守ろうとする傾向が強いものも多く,よほど注意しながら調査と観察をしなければ,彼の友人を探し出すことがむずかしい場合がある。

したがって,特定の友人を見い出し,人間関係を通じての療法を行うことが不可能な場合には,学級集団を治療的機能集団−温かい許容的雰囲気を持つ集団−に変容させ,機会あるごとに彼の発言・彼の行動が集団に受け入れられることを体験させるべく努力しなければならない。

また,さきに述べたとおり,友人から自殺念慮の有無の情報を得,予防に努めることは,早期発見,早期指導に最も大切であるが,その際には,お互の友情関係にひびが入ったり,それが重圧となって心理的に不安定な状態を作り出したりすることの無いよう,十分な配慮が必要である。

 (13) 予防処置および対策指導−家庭との連携

自殺の防止のためのみならず,教育には家庭との連携が重要であることは,ここで改めて論ずるまでもない。生徒を教え育てていく上に障害となるものが,家庭内に在る時には,家庭と協力してそれらの障害を改善させ,生徒たちの健全な育成を図るよう努力しなければならない。そのような意味からいっても,家庭との十分な連絡と協力を重点指導方針としている学校が25校もあったことは,望ましいことである。

特に,自殺未遂生徒の指導については,学校・専門機関および家庭との助けあいがなくしては,効果を上げることは不可能に近い。だがここで注意しなければならないことは,功をあせるあまり,家庭との十分な話し合いをせず,単に家庭の非を責めたり,あまりにも性急に非を改めさせようと急

   22 友人の利用

地区
県 北
県 南
会 津
いわき
相 双
学級の治療機能の利用  
1
     
1
友人関係を治療的に
3
1
1
 
1
6
友人から情報を集める  
1
 
1
 
2

   23 家庭との連けい

地区
県 北
県 南
会 津
いわき
相 双
十分な連絡と協力
4
6
6
6
3
25
父兄会の開催と啓蒙  
1
1
 
1
3
保証人との連絡      
2
 
2

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