研究紀要第20号 高校生の精神衛生・特に自殺および自殺未遂行為に関する考察 - 018/021page
26 一斉集団指導
\地区 県 北 県 南 会 津 いわき 相 双 計生命の大切さを教える 3 3 11 1 18生きがいを持たせる 2 1 3集会で自殺の予防講話 1 2 3生の意義の討議を 2 2忍耐・寛容・感謝の精神高揚 1 1 1シンナーの恐ろしさを注意 1学校を楽しく充実する 1 1 2悩みの解決法を指導 1 1クラブ活動を利用 1 2 3H・Rの活用 2 2 2 2 6精神衛生教育の徹底 1 1(15) 予防処置および対策指導− 一斉集団指導
一斉集団指導が望ましいとする意見については,表26に示されるような結果をえた。生命の大切さを教えるが,18校と一番多く,次いでホーム・ルームの時間の充実が6校,以下生きがいを持たせる,自殺の予防についての講話,クラブ活動の利用,などが3校づつ続いている。
いうまでもないが,生命の大切さを教えることは,自己自身の生命の尊重を教えることばかりでなく,全人類,生きるもの全ての命を大切にするという,人間性の本質に触れる教育である。したがって,生命尊重は単に自殺防止のための指導と考えるよりは,人間教育の目標として行なわれるべきである。しかも,このような生命尊重の考えは,自殺志向−死の願望と,生への執着−助けてもらいたい願望との葛藤から,死の願望を強力に排除し,生への執着を強化すると共に,健全な心に立ち返らせる力として働くことは疑えない事実であることを併せて銘記すべきである。
しかしながら,個人指導の項において触れたとおり,自殺の無意味さの指導が大切であり,当然おこなわれるべきものではあるが,自殺者,自殺未遂者たちは,自分自身十二分に自殺行為の罪悪を認めながらもその行為を行ったのだということを,十分に踏まえた上での一斉指導がなされなければならない。
このことを慮外にしては,かえって逆効果となる恐れもあることを熟知するべきである。
以上各学校から寄せられた対策と指導の概要を述べたが,これを概観すれば,福島県の高等学校の自殺生徒への対策と指導がは握できると思う。熟読の上,各学校の実態に即した対策・指導をとられてほしい。
なお,アンケートの対策・指導の欄に無記入無解答の学校は,県北−6校 県南−5校 会津−5校 いわき−5校 相双−2校 合計23校あったことを付記しておく。
教員の問題
\地区 県 北 県 南 会 津 いわき 相 双 計共通理解の上対策を 4 1 1 6関係職員で援助する 1 1H・R・Tが特に配慮を 1 1 2