研究紀要第21号 学校経営の研究 本県小学校における教授組織の実態 - 006/025page

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(3) 体育科における合併授業の学習集団規模と,週当り実施時数
  実施教科で最も高率であった「体育科」について,次の3点からみようとしたのが,次の第6−(1)表である。
  ・何学級を合併しているのか。(学習集団の規模)
  ・週何時間を合併でおこなっているか。
  ・合併指導の内容と年間指導計画の関係

第6−(1)表  合併規模と実施時数
%
〜6
7〜17
18〜
41
67
33






2学級の合併
92.7
71.6
 
3   〃
7.3
26.9
24.2
4   〃    
48.4
5   〃    
15.2
6   〃  
1.5
6.1
7   〃    
6.1













週1時間  
40.2
87.9
 〃2      
 〃3  
4.5
3.0
不 明  
3.0
 




週1時間
31.7
1.5
 
 〃2
7.3
   
 〃3
12.2
   
不 明
4.9
   






週1時間
12.2
17.9
3.0
 〃2
2.4
4.5
 
 〃3
7.3
6.0
 
不 明
22.0
22.4
6.1

  ・第1表の実施校を100とした場合の比率
   ・実施時数は,合併態様を区分して計上
   ・「特定学年の実施」……1部の学年だけが実施している場合

 合併学級は,第6−(1)表によると,小・中規模校にあっては2こ学級の合併が,また大規模校の場合は4こ学級の合併が高い比率である。
 第6−(2)表との対比から,これを内容的にみてみると,学年を単位とした学習集団の編成が殆と全部である。(1こ学年が5こ学級で編成されている場合は,5こ学級の合併授業である。)

第6−(2)表  学級数別学校数 
%
各学年2学級編成(12学級まで)
70.1
 〃  3  〃  (18  〃  )
29.9
18.2
 〃  4  〃  (24  〃  )
48.5
 〃  5  〃  (30  〃  )
24.2
 〃  6  〃  (36  〃  )
9.1
 〃  7  〃  (36学級以上)
    計     (実施学校数)

67

100

33

100

 規模(中・大)は,当調査で用いた規模である。

 つぎに,第5表との関連をみてみると,つぎの点が課題として指摘できる。

(ア) 指導計画との関係に問題はのこらないか。
 週1時間を,ある領域について合併ですすめる場合には,1単位時間における指導内容の構成(体育の場合は,1単位時間の内容が2〜3の領域で構成されるのが一般的)という点から,合併の対象領域,合併にあてる週時数,合併授業の内容(領域)と構成の3点を関連的に配慮してすすめなければならない。

(イ) 学習集団の規模と協力・分担指導という点で問題はのこらないか。
 合併授業をすすめる場合,題材,用具,場所,指導の徹底などの点から,学習集団の大きさを考える必要があると思う。前述したように,学習集団の編成を学年単位でなされる場合は,そのすべての場合が必ずしも適当な集団規模とはいえないであろう。

 また,担当教師グループも学年内だけにとどめた場合に,教師の専門性,得意性をいかした分担,協業という点で問題はのこらないか。
 現在各校が行なっている,第5・6表のような実践の結果は,貴重な資料を提供してくれるものと期待することができよう。


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