研究紀要第22号 児童・生徒の学習能力の発達 学習能力の発達と授業の研究 - 040/062page
えかたとしては,机を3つ並べた形として7種類,2列並べた形として2種類,1つずつ離して並べた形は6種類で,誤答としては15種類のものがあげられた。
−誤答の例−
上図は,椅子の記入を略して図示したが,7番のものは,左光線で人のからだの位置を考えないと正しい照明とも思われるが「かげにならない照明」の点で,左光線を目標として考えたために,目標の具体化という点で,除外することにした。
「必要は発明の母」という諺をここでもちだすまでもないが,日常生活における創造も必要を感じ困難点の解決に迫られ,新しいアイデアが生まれることを思うとき,理解するための経験は,創造を生む土台になることを考えて,授業の中で必要感を具現化する場の与え方について反省させられる。
〈家庭の調査問題の集計〉
小・5
小・6 1 1人ずつじゅんに茶わんにつぐ。 8.6 12.92 お客さまの茶わんにつぎあとに自分のにつぐ 38.6 12.93 半分ずつつぎはじめにもどって8分目につぐ 32.9 31.24 半分つぎ逆まわりにつぐ
( 1→2→3→4
8←7←6←5 ↓) 20.0 41.65 どの茶わんにもいっぱいになるようにつぐ。 0 1.2(単位%)お客さまがいらっしゃったら茶わんに同じこさにお茶をどのようにつぐか聞きあたってみた。
お客様に対し人間同志の温かさと快よいふん囲気で茶の分量を吟味し,お茶を同じこさにつぐ配慮がされたらどんなにうるわしいことだろう。科学的に正しく同じこさにつぐには,茶わんに半分ほど順につぎ逆まわりして残りの湯をつぐことの是非について確認しあい,知識の定着をはかりたい。お客が3人の場合,自分の茶わんもいれて上図のようにつぐのを正答としたが,この考えは5年で全体の5分の1,6年で全体の5分の2に伸びてはいるが,まだお客様優先で,自分のことまで考えは及ばない。
また子どもの知識は,茶わん一杯つぐことは,「腹八分目食べる」とか「茶わん八分目つぐ」などの母の生活態度が子に反映して,自分の動作のコントロールはされているので,5の解答は少数で,反応が得られないのがうなづけよう。
正解は4であるが,2と3の意見も3等分に分かれているので,実習の再認識から生きて役立つ知識となるように,授業指導で配慮されたい。
5 調査結果の考察と分析
前提能力調査で,「被服,食物,すまい,家庭領域の能力の発達はどうか。」ということを見極めることであった。5年2学級,6年2学級の正答率をグラフにあらわしたが,影響を及ぼすとみられる条件,学年による発達,地域,教師の指導状況(分科,専