研究紀要第22号 児童・生徒の学習能力の発達 学習能力の発達と授業の研究 - 041/062page
科,学級担任,何年間継続担任か)等をぬきにしては考えられない結果と思われる。
下記に能力別の正答率と領域別の平均正答率をあげたので参照されたい。−能力別の正答率−
領域ごとの正答率をみてみると5年の場合は,被服→食物→すまい→家庭,6年の場合は,被服→家庭→食物→すまいの順位をしめし,どの学年も被服領域の正答率が高い。これは被服領域の問題量が多く,経験度合いが,各自の発達とともに大きく作用するのがうかがわれよう。また,学年と前提能力の発達は,年代により上昇するとの期待はうらぎられたが,全体的にいえることは,やや等質的な上昇下降がみられることはうなづける。次に知的要素を強く要求した問題なので,果たして実践的技能めんでは,問題を含む要因が更にうきぼりになるだろう。
=家庭科の指導は,よりよい家庭人の育成と結んで家庭生活の理解につながるような基礎指導が最も重要なことにつながるので,その生活をよりよくするための基礎技能の発達面にスポットをあて調査を試みたが,授業をとおし能力の発達過程を設定し実験的な解明と日常生活の実践を得られることを,当面の問題として努力したい。=
しかし,日常家庭生活の題材を生活のまとまりとして総合的にとらえ,実践教科としての性格上,系統性,発展性から科学的,分析的な指導をしていくためには,どんな目標認識のもとに,どんな条件とどんな行動様式をもつか明確にする必要がある。その現場教師の姿勢が,各学級間の指導の結果に影響し効果となってあらわれたと見るのは早計であろうか。
−領域別の平均正答率−
児童自身より教師に起因する問題が多分に含まれるように思われてならない。
次に急激に変化しつつある家庭生活をじゅうぶんふまえた指導をすることだと思う。まず,ひとりひとりの子どものつまずきと変容をとらえ,授業にどう生かしていくかにある。
・児童・生徒の特性に着目する。−子どもを理解するための前提能力調査
・児童の持ち味を授業中にどう発揮するか−個性の発揮と調査の関係
・自他の特性について理解・思考態度を進める−個と集団思考の関係
・児童の発達に即して考える−能力発達の重視と学年間に見られる能力の違いなど
=子どもの発育・発達を考慮した家庭科指導の意