研究紀要第22号 児童・生徒の学習能力の発達 学習能力の発達と授業の研究 - 042/062page

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義が改めて認識され,教科の重要性がより高く評価される研究としたい=以下実践編を眺めてほしい。

6 第5学年 被服領域「便利なふくろ」の学習の実験的授業計画と実践

(1) 実験的授業過程

授業過程は,つぎの点を特に考慮して組織化をはかった。

 ○ 学習のすすめ方は,問題をとらえ,主体的に問題を解決する学習とする。
 ○ 主な発問や学習段階における児童の反応を予想し,一人一人の児童の学習能力がどのように変容しながら高まっていくかを学習カードを作成し活用することによって,個別的にとらえられるようにする。
 ○ 児童の思考のつまずきを予想し,理解を助け,より確かなものにするための資料の吟味と提示のしかたについて留意する。

@ 教材構造のは握
 ここでは,指導目標および内容をとらえ,教材の構造化をはかるとともに,その系統,発展を明らかにした。
また,その中での学習能力を,前述の「家庭科における要素能力」との関連においてとらえようとしたものである。

教材構造のは握

( )の中の数字は,35頁に示した「家庭科における要素能力」の番号を表わすもの

=「便利なふくろ」の系統発展は,つぎのようにとらえることができる。=

第5学年「整った身なり」

ボタン・スナップのつけ方と,ほころびの直し方で,針と糸を使って衣服の整え方を実習した。
(布と糸の使用に関する基礎技能の習得)

「便利なふくろ」

ここでは,決まった物を入れるための布によるふくろの製作という内容で,衣服製作の基礎となる「立体化」と「ゆるみ」が重要なポイントになる。
さらに,手ぬいの基礎技能を高めようとするものである。

第6学年「カバー類」

「便利なふくろ」の学習の発展として,決まった物に合ったカバーの製作をする。

(中学校第1学年「上着とスカート」へ発展)

A 前提学習能力のは握
 一人一人の学習能力の発達過程をとらえる方法として,次の試みをした。
学級の児童の学習能力を,上位群A,中位群B,下位群Cに編成し,その中から抽出した児童の学習能力発達の過程をたどっていくことにした。
 上位・中位・下位の3つの群の編成は,(家庭科の成績),(知能偏差値),(前提能力調査の被服領域に示した素点)等を参考にした。


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