研究紀要第22号 児童・生徒の学習能力の発達 学習能力の発達と授業の研究 - 044/062page

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B 授業過程の展開例
 前提能力の調査から,ひとりひとりの児童の実態と,それらを通して学級の実態が,いくつかは握された中で,特に次の2点を考慮して授業過程を組織した。

○ ふくろの大きさを決める選定能力
 この問題は88.2%の誤りがみられ,しかも正答11.8%の理由づけも,殆どあいまいであった。
この実態から,知的理解のみの授業では抵抗が大きいと考えられたので,教師の考えによって障子紙で袋を作ってみる作業や大きさの異なる袋の標本を提示するなどの配慮をする。

○ ゆるみと,ぬいしろについては,つぎのような正答率であった。
 ・わきのゆるみ−20.0%
 ・口をしめるためのゆるみ−31.4%
 ・ぬいしろ−17.1%

 上記については,標本でさいほう箱を実際に出し入れする作業をさせたり,標本の観察などさせ,よく理解し,判断させる作業とする。

 

第5学年   学 習 指 導 案

1 題材名 便利なふくろ

2 目標 省略

3 指導計画 省略 本時は2/10時間

4 本時のねらい

 ○ 布地のふくろを作るにあたって,布の大きさの決め方を理解させる。
  ア 布の大きさは,さいほう箱の大きさに,ゆるみとぬいしろを考えて決めることに気づく。
  イ さいほう箱の大きさと,布の必要量の関係がわかる。
  ウ ゆるみと,ぬいしろのだいたいの量がわかる。

段階
学習の流れ

教師の働きかけ
予想される児童の反応
指導上の留意点
◎資料・評価
















5



10

○ きょうの学習事項をたし
 かめましょう。

○ さいほう箱の袋はどのぐ
 らいがよいか話し合ってみ
 ましよう。




○ きょうの課題を決めまし
 ょう。

○ 布の大きさをどのぐらい
 にしたらいいと思いますか。
 自分の考えによって障子
 紙で袋を作ってみましょう。

○ 本時の学習内容をたしか
 める。
 ・袋の布の大きさを決める。
○ 袋の大きさを考えノートす
 る。
 ・箱の出し入れがらく・大き
  すぎると見苦しいし,箱の
  ふたがずれやすい。
 ・その他

○ 箱に合った大きさの袋を作
 るには,布の大きさをどのよう
 に決めたらよいか。
○ 自分で考えた製作方法を
 ノートする。





○ 各自袋を製作する。
○ 前時に作成した計画表を
 活用させ,計画的に仕事を
 すすめる態度を養う。
○ 学習カードの記入のしかた
 について指示説明する。
○ 自分の考えを話し合いに
 よって修正する時は,学習カ
 ードの別欄に記入させる。
 それによって思考の変容をと
 らえるようにする。
○ 布の大きさを決めるという
 平面的思考を,袋の大きさ
 という立体的なとらえ方から
 導入し,児童の理解の抵抗
 を少なくする。
 それとともに,箱を立方体の
 6面体として考えるであろう児
 童の思考を,横まわりと縦ま
 わりの関係でとらえる思考へ
 と移












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