研究紀要第22号 児童・生徒の学習能力の発達 学習能力の発達と授業の研究 - 047/062page

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選択番号
@
A
B
C
D
(選んだ人数)選択百分率
(7)人
20.6
(11)
32.4
(4)
11.8
(8)
23.4
(4)
11.8

正答Bを選んだ4人の理由
 C1 さいほう箱に合う。
 C2 しぼむ分もとった。
 C3 大きすぎるとみったくないから。
 C4 ちょうどよいから。
※ 正答率も低く,選んだ理由もあいまいである。児童たちには,この学習能力については,非常に抵抗が大きいことがわかる。

(イ) 学習課題をどうとらえたか。

 「袋の大きさは,箱の出し入れがらくにでき,大きすぎず,ちょうどよい大きさにしたい。そのために布の大きさをどうするか。」
 この課題意識が,どう持続し,どう変容していったか,試作の袋作りと資料の活用を中心にみてみよう。

(ウ) 障子紙で袋を試作する段階での思考

 「袋をどのように作るか。」
 まとめると大きく3つに分かれた。

障子紙で袋を試作する段階での思考

・ 94.1%の児童が,箱の大きさを,縦,横,高さの概念でとらえている。また,5.9%の児童は「箱の出し入れをらくにする」という学習課題をじゅうぶん意識していない状態にあることを示している。

 「袋をどのように作ったか。」
 (どのように作るか)の思考が,実際の作業によって,どう変容したかとらえてみる。

1 箱に紙をからませて作った。
%
67.6
2 箱の縦,横,高さを測って作図後,自信なく箱で額どりしたり,箱をつつんだりした。
14.8
3 縦,横,高さを測り,六面体としてとらえ,はり合わせた。
8.8
4 未完成(線は引いてある)
8.8

・ 前頁の「袋をどう作るか」の考えとつき合わせて検討してみよう。
 箱の縦,横,高さを測って作るという94.1%の児童の中で,その考えどおり作ったのは8.8%と激減している。
 箱を六面体としてとらえて作ることのむずかしさ,わずらわしさが,箱を包むという作業に変わったのである。この作業は,児童の思考を布の大きさを横まわりと縦まわりの関係でとらえる方向へ転換しつつあることを示していると考えてよいだろう。

 「袋の仕上がりはどうでしたか。」

−自己評価−
箱の出し入れがよい
%
38.2
きつい
47.1
大きすぎる
5.9
未完成
8.8

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