研究紀要第22号 児童・生徒の学習能力の発達 学習能力の発達と授業の研究 - 053/062page
トによって過程を書き表わし,次の点を考慮して無理のない計画になるよう工夫した。
○ 児童の思考が,本時の内容にそって全体から部分的な細かい点に,無理なく流れるようにした。
○ 個人思考と集団思考のかかわりあいを重視し,二つの活動が,相互に作用しあって効果をあげるようにした。
○ 資料の内容と提示する場面を,実態に即して検討した。
○ つまずきのある者に対し,補助資料や補説によって修正させるように組みたてた。@ 教材構造のは握
この題材は,被服製作教材のまとめとして,生活に役立つ便利なものを作るというねらいを持つ。
カバーは,日常広範囲に使われており、材質や形はさまざまであるので,種類・役割・材質などの全体的な学習をさせた上で製作させ,作ることの楽しさや,自分で作ったものを使う喜びを得させるようにする。
5年では,ふくろ作りを通して,採寸や型紙作りの基礎・手ぬいの基礎などを習得してきた。本題材では,目的に合った材料の選択・採寸や型紙作りについて深め,手ぬいの技能として三つ折りぬいやふくろぬいを目的に応じて使い分けることを習得する。つまり,5年での既習事項を応用し,中身に合わせて作るという被服製作のねらいにむかって,児童の能力を高めていくこととなる。
指導にあたっては,実生活への適用・応用ができるまでに能力を高めるため,自分で計画し,自分で考え工夫して製作過程をふませるようにする必要がある。
下図は,本題材の構造である。図の中の数字は前述(35頁)の学習能力の番号を示す。