研究紀要第22号 児童・生徒の学習能力の発達 学習能力の発達と授業の研究 - 054/062page
A 前提学習能力のは握
右端の学習タイプは,前提能力と下位テストの能力から判定したものである。下位テストは,まくらカバーに関する問題で,(1)は布の大きさの決定能力,(2)は目的に合った布地の選定能力,(3)は形の選定能力を調査したものである。
この資料をもとにして,ひとりひとりの児童の能力と,予想されるつまずきをは握し,授業計画に役立てるようにする。この学習タイプの左側の知能によるものは,Aが16名,Bが18名,Cが7名であった。右側の前提能力によるタイプではAが7名,Bが28名,Cが6名であった。紙面のつごうで全員についての記述はできないので,A・B・Cの各タイプから,抽出児童2名ずつの例を下へのせておく。
−前提能力と学習タイプの編成−
番
号 氏
名 家
庭
科
成
績 知
能
偏
差
値 前
提
能
力 1
の
能
力 下位テスト(1)の能力
正答3 2
の
能
力 下位テスト(2)の能力
正答4 3
の
能
力 下位テスト(3)の能力
正答1 学
習
タ
イ
プ 正
答
3 正
誤 理由 正
答
4 正
誤 理由 正
答
1 正
誤 理由 1 K・Y
(男) 5 67 11 × ×すっぽりつつむのによい × ○見ためがよく,高くなくて気持がよい ○ ○まくらがはみ出さない A5A 2 M・M
(女) 4 55 12 × ×ぬいしろを2cmずつとって ○ ○はだざわりがよくやわらかい。 ○ ○まくらがぬけない。 A4A 3 S・H
(女) 3 49 6 × ×ぬいしろの長さがちょうどよい。 × ○じょうぶそうだから ○ ○あらうのにかんたん B3B 4 W・T
(男) 3 56 10 × ×ぬうところがないと困るから ○ ×ざらざらしない ○ ×かんたんだから A3B 5 W・M
(男) 2 39 5 × ×少し大きいぐらいでよい。 ○ ×(無答) ○ ○使いやすい C2C 6 T・K
(男) 2 26 5 ○ ×無答 ○ ×はだざわりがよい ○ ○くふうしているから C2C
以下省略B 指導過程の展開例
本時は,「カバー類」の題材の総時数11時間中の第2時である。
1.本時のねらい
○カバーの種類と使用目的を理解させる。
○使用目的によって,材料や形・大きさにちがいのあることを理解させる。
ア.カバーが日常生活の中で数多く使われていることがわかる。
イ.カバーの使用目的がいえる。
ウ.使用目的に応じて材料や形・大きさにちがいのあることがわかる。
エ.まくらカバーに適した布地が選択できる。
オ.ゆるみとぬいしろの必要に気づく。
カ.まくらカバーのゆるみとぬいしろの適切な寸法を考えることができる。
2.過 程
段
階 学習の流れ 時間 教師の働きかけ 予想される児童
の反応 指導上の留意点
◎資料・評価問
題
を
と
ら
え
る
↓全 ↓全 ↓ A 5○みなさんの家では,いろ
いろなカバーを使っている
と思いますが,どんな物が
使われているか話し合い
ましょう。
○きょうは,次の課題で話
し合いましょう。
(板書)○各種カバーの名まえ
や用途について話す。
○課題をノートする。○事前に各自の家庭にあ
るカバーの種類や布地・
色などについて観察させ
ておく。
◎TPIカバーの種類
(事前テストより)課
題
を
き
め
る