研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 020/106page
いる。腰と煙はどちらも同じくらいの正答率で,同じように低く,もともと書けない者が多くいるということであろう。減と滅では,72.5%と38.5%という具合で,減はできるが滅はできない者の多いことを示していて,月と火のちがいほどロと火に意味のちがいをくみとるごとがむずかしいことを示している。
今後,漢字の構成部分とその表わす意味が生徒にとってつかみにくいものについては,とくに工夫がのぞまれるところである。
オ 【7】【8】 書く(語句)
2年と同様の結果で,書くことの中で,語句を使いわける能力がもっとも高い正答率を示している。読むことでは,2番目で,その点2年の場合とちがうが,読む(語句)57.5%,書く(語句)58.3%と読むことと書くこととの間でそれほどの差はない。このことは,2年,1年でもいえ,読む学習が書くことへ,書く学習が読むことへ転移されている分野であることを示している。
カ 【7】 書く(文・文章)
1年よりやや高く,2年より低い結果となっている。
2年同様「文の成分のかかりうけ」が低く16.8%である。2年の47.8%とくらべてかなり低い。修飾語の位置関係(【7】−1,2),主述関係(【7】三3),などがよくできていない。
さらに,きめられたワクの中で文章をまとめていくことが,31.3%と低く,とくにさだめられた内容をのべることが20.5%と低い正答率であるのは,長文をまとめる能力をそだてることの必要を強調しているようである。
(3) むすび
以上で,中学校全学年にわたる考察を終るが,学年によってやや観点がずれているものがないわけではなく,完全な比較検討はなしえなかった。
しかし,ある程度のことはまとめ得たのではないかと思う。さらにご検討をお願いする次第である。