研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 055/106page
ともに,図形についての新しい性質を見いだすことができるような指導を心がけることが大切であると,思われる。
4 確率・統計
多数の観察や多数回の試行によって得られた結果について,頻度の傾向を表わすのに確率が用いられることを理解しているかどうか評価しようとするものである。
この中で,問題3の平均正答率は,21.8%と他のものに比して低くなっている。
問題の内容は,
「さいころをふって,1の目が出たときは400点,その他の目がでたときは50点もらうと約束すると,30回ふるときの得点の期待値を求めなさい」という期待値に関する問題である。
誤答をみると,期待値の定義が的確にとらえていないようにみうけられるので,次の諸点に留意した指導が望まれる。
@用語・記号の意味づけを明確にし,確実に理解させる。
ここでは,特に,「確率」「平均」といった概念との係わりをじゅうぶん図ることによって期待値の意味を的確にとらえさせる。
A日常生活における行為の決の際の判断の根拠としていることなど,具体的な事象と数学的モデルとの関連づけをしながら理解させる。
B指導計画の立案にあたっては,内容の重点化を図るとともに,指導時数の配分を適切に行う。
4 第3学年の結果の考察
(l) 問題のねらいと正答率
領域 問題のねらい 問題番号 正答率 小問 大問 領域 【1】
数
・
式
○
分
1 正の数の平方根の意味とその必要性がわかりそれを用いることができる。 1 ア 68.0 53.3 イ 54.0 ウ 74.72 27.33 57.94 28.05 63.06 (1) 66.3 (2) 40.32 文字を用いた簡単な式について式を文字でおきかえたり公式を用いたりして展開や因数分解ができる。 7 (1) 72.0 65.2 (2) 72.88 (1) 74.7 (2) 41.3