研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 061/106page
1 埋科における問題の構成
(1) 問題作成の基本万針
この学力検査問題は,それぞれの該当学年において学習した結果の学力の実態を診断的にとらえ,今後の学習指導に役立てる資料を得るためのものである。問題の作成にあたっては,このねらいが達成されるように,つぎの事項を特に配慮している。
@ 当該学年で学習すべき理科の内容についての基礎的な知識・理解や実験観察の能力および科学的な思考をとらえるようにする。学習した結果としての学力の実態をとらえるという観点から,学習内容の習得の程度を理科の学力と考え,その学習内容は,指導要領に示されている内容であるという立場をとる、したがって,指導要領の分析を行ないそれにもとづいて問題の構成および作成を考える。
A 理解の程度やつまづきの箇所を診断できるようにする。
学習の結果として習得した知識や理解の容態がどのようなものであるかを考察し,指導に役立てるために,問題の内容および系列等をくふうして学力を診断的には握できるようにしている。
B 学力について,概観的かつ教科内における学力の差異も診断的にとらえられるようにする。
学習内容を分野別に分け,それらの分野にあった内容の問題を作成する。
C 科学的な能力にとらえられるようにする。
理科の重要なねらいである「科学の方法」の習得の実態を評価できるように問題の作成にあたってくふうしている。
(2) 分野および観点の設定
前の問題作成の基本方針から考えるならば分野は指導要領に示されている指導内容をそのまま用いることが最適と考えられる。
したがって,つぎのように構成した。
すなわち,
第1分野 物理・化学的領域(25問)
第2分野 生物・地学的領域(22問)
とし,理科学習の目標には「科学的な知識・理解」と「科学の方法を習得し,科学的に考察し,処理する能力や態度」などを育成することがあるので,問題の構成の観点として,
○科学的な知識・理解に関すること。
○観察・実験の能力に関すること。
○科学的な恐考に関すること。
などを設定した。
そして,各学年とも一貫して科学的な知識・理解に関する問題数を両分野とも10問〜11問にとどめ,観察・実験の能力に関する問題数を両分野とも6問〜8問および科学的な思考に関する問題数を両分野とも6問〜8問程度にとどめて,探究学習の成果をめざすテストの実施にあたり各分野別で所要時間は50分間単位とし,分野制の活用に重点をおいた。また,診断プロフィールは三つの観点別にできるようにおさえ,テストの事後処理の能率化と診断性という観点から客観テストを中心として,必要に応じ記述テストも取り入れて作問した。