研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 076/106page

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@ 知識・理解

 この領域では,【14】,【15】,【18】,【20】,【21】がこれに該当する。

 【14】の場合,27.9%の正答率でやや悪い結果を得ているのに対し,【16】は約50%の正答率を得ている。これを分析してみると,【16】と【14】は,内容的に類似する面がある。(思考の最終的なものが【16】で,その初期の段階で【14】が考えられるはずである)のに対して,【16】が良い結果を得たのは,考える対象をa3,b3,C1,C3などとしぼったためかとも思われるが,やや判断に苦しむ面もある。

 【15】の場合,37. 8%の正答を得たが,これは学校により大きな差がみられたものの一つである。
野外で実際に観察を通じて学習がおこなわれた学校の場合は,実によい結果を得ている。(65%以上)

 【18】は,気象領域で基本的に知っておくべき知識であるのに対し,半数以下の正答しか得ていないまた,【20】も同様で,当然理解していなければ天気図は見ていけない。
 一般に気象領域は地質領域に比較して,基本的な知識・理解に問題がある。

 温暖前線,寒冷前線前後の天気の状況はじゅうぶん理解させておく必要がある。
 また、その前線に囲まれた暖域,寒域など,いわゆる気団としてのそれぞれの特性の理解も指導されるべき基本的な事項である。

 次に【21】のように,時間の経過に伴った気象の変化を動的に取扱うことの学習は,新しい指導要領のねらうところであるので,天気図のような平面的な動きの学習と同時に,グラフに表示されたものを読みとれる能力・基本的な知識も,今後の指導に要求されるのではないだろうか。

A 観察・実験の能力

 この領域では,【16】,【17】,【19】,【24】がこれに該当する。
この中で特徴的なものは【24】であるが,答案を検討してみると大部分の生徒はグラフを読みとる能力に欠けるようである。
 問題7のグラフは,2つの要素が盛り込まれているため理解が困難であったためと思われるが,中学校の学習の中では,社会科などでも,理科でもかなり多くとり入れられている手法であるので慣れるということが重要である。

 次に,【24】で考えられることは,グラフを読んだとしても,文章表現の,いわゆる記述式に抵抗があるようである。
 いずれにしても,裏をかえせば,やはりグラフの読みに問題があるようである。

 次に【16】の正答率は48.8%で,予想したより好結果を得ている。近年の中学生の傾向として,ある選択肢的なものを与えると予想したより良い結果を得る。このような手法に非常に慣れているようである。
 この【16】の結果を先の【14】と比較すると矛盾が感じられる。これはやはり選択肢的な学習(仮りにいまそのような言葉で表現する)の欠かんではないだろうか。

 学習が論理的に系統的に進められれば【16】,【14】の正答率にみられる問題は生じないのではないだろうか。

B 科学的思考

 この領域では,【22】,【23】,【25】がこれに該当する。

川の流量が増した場合のグラフ表示の変化を問うグラフ(問題7より)
川の流量が増した場合のグラフ表示の変化を問うグラフ

 【25】の場合,23.6%の正答率と非常に悪い結果を得ている。これは前述したように,グラフの読みの能力が弱い結果によるものである。
 次に,グラフを読み得たとしても,解くためにはそこに科学的な思考力が必要である。

 第3段階として,それをグラフによって表示しなければならないという,いわゆる三段階の過程を隔なければならない。
 このことから考えれば,高級な問題であるだけに無理からぬところかもしれない。

 【23】の設問では,61.1%の正答率を得ていることから考えると,この程度までのグラフの読みは可


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