研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 098/106page

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の発音と異なる語としてとした生徒が多かったが,〔:r〕〔a:r〕の識別であり,私たち日本人にとって識別の困難な音の1つである。「大きいa:」「小さい:」などを指導上のくふうとしたいところである。
 一番正答率の高かったのが小問1(57.4%)で,〔∧〕と〔a/〕の識別で,clockをえらぶ問題である。

〔5〕 文中において語を正しく発音する問題
・小問2(55.7%)は,規則動詞・過去形の語尾変化−edの発音の問題である。〔e〕〔t〕の識別であるが,誤答傾向としてはstoppedとした生徒が多かった。knockedの発音にも抵抗があるために,やや正答率が低くなったと思われる。
・小問1(43.8%)は,〔ei〕〔e〕の識別としては典型的な問題であるにもかかわらず,says〔sez〕の発音ができなかった。学習指導要領の内容のとり扱いの項で「国際音標文字の読み方を指導してもよい」とあるので,発音記号の助けをかりれば指導しやすいのではないかと思う・

〔6〕 平易な問いかけに答える問題
・小問A-3(65.8%)は,How much money〜?の応答としてOnly one dollarを選ぶ問題であるが,How muchとdollarとは直感的に組み合わせやすいと思われる。
・小問B-4(54. 8%)は,He hasn't been well〜.の応答としてThat's too bad.をえらぶ問題で,小問B-1(70. 1%)のWill you〜? All right.に比して高度な応答文といえよう。

【2】 読むことの領域

この領域では,次の5つの大問からなりたっているが,他の領域に比して一番低く,読解力の指導がいかに必要であるかがわかる。
読むことの領域
〔1〕文の区切りの問題
〔2〕文の内容は握の問題
〔3〕機能語を補う問題
〔4〕対話文を読む問題
〔5〕説明文を読む問題
平均正答率

〔1〕 身近な文を正しく区切って読みとる問題
・小問4(79.2%)の接続詞のうち,等位接続詞の機能は日本語と同じであるので〜/but〜の場合は1年の場合と同様に高い正答率を示している。
・小問3(49.0%)は,文尾に副詞句to talk about our p1anをふくむ文の意味の理解が困難であるために〜ca11/on you to talk〜と誤る結果になったと思われる。

〔2〕 文の内容をは握する問題
文全体を読みとって,それにあう適語を選択する問題である。
・小問5(89.O%)は,The students go to〜from Monday to Saturday.からschoo1を選択することは容易である。
・小問1(41.4%)は,曜日に関する問題で,1年生同様に正答率が低い。third dayにも抵抗があり,更に,週の三番目がWednesdayだと悩んだり,とにかくthe names of the sevendaysが身についていないためと思われる。

〔3〕 内容を理解し機能語を補う問題
英文を読んで内容を的確には握し,接続詞,前置詞を文中の適当な場所に入れる問題である。
・小問7(82.7%)は予想外に高い正答率である。被験者の数名に確かめたところ,be surprised to〜の形で覚えていたのではなく,at the(アッザァ)という音の記憶から解答したという。英語教師の考えもおよばないところで学習されることもあるという一例である。
・小問8(40. 7%)は,〔3〕の10題中,一番語数の少ない問題であるが,red lightsの意味が的確には握されていないため,前置詞atを入れる場所に悩んだものと思う。

〔4〕 まとまりのある数個の対話文を読む問題
・小問1(86.8%)は,あいさつHello,Mrs.Marchに応答する問題であり,当然の結果といえる。
・小問3(36. 1%)は,結果を表わす現在完了has goneの理解と,更にHe has gone〜. =He is out〜.が同じことを表わしていることの理解ができず,動詞goをふくむ語句をえらぶ生徒が多かったために低い正答率になったものと思われる。


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