研究紀要第24号 中学校 福島県診断標準学力検査問題分析結果報告書 - 099/106page
〔5〕 数個のパラグラフを読む問題
・まとまりのある数個の説明文を読み,その内容について答える問題である。小問2(64.4%)は,連語in fron
t of〜の前置詞ofを選ぶ問題でかなりの正答率を示している。
・小問4(33. 0%)は,受動態の文の一部be動詞を選ぶ問題である。文中の主語(複数)のは握ができなくてis shownとする生徒や"〜",に気づかず過去形の動詞wereを選んだ生徒が多いことは,文を読む活動,理解の不足といえよう。
【3】 書くことの領域
この領域では,文中における語のつづり,文中の語句の配列,および与えられた語や語句を使っての英文の表現の問題からなりたっている。
〔1〕 文中における語のスペリングの問題
・与えられた日本文に合う英文をつくるために,文中の空らんに正しい文字をえらぶ問題である。。小問5(83.3%)は,「行ったことがない」
have never b-nのeeをうめる問題でありかなり高い正答率である。
小問8(31.3%)は,togetherのつづりの問題であるが,正答率が極めて低い。平常の学習で〔〕と発音したり耳にしていることの影響で,とつづる生徒が多いのではないか。教科書N.P.E.C3,N.H.E.C2に〔〕と表示されているように指導すべきだと思われる。
〔2〕 基本的な語法に従って文の一部を書き表わす問題
・文中の語・句を並べかえて正しい英文をつくる問題である。小問1(91.6%)は非常に高い正答率を示している。未来を表わすbe going to〜が身についている結果とみてよいであろう。
・小問8(44. 5%)は,「得意です」be good atの連語をふくむ文の問題である。連語の意味ばかりでなく,前置詞atの次に動名詞draw-ingがくることの理解,draw(ing)の語義そのものの理解が不十分であったと思われる。
〔3〕 基本的な語法に従って英文を書き表わす問題
・日本文に合うように3〜4の語または語句を並べかえて正しい英文をつくる問題であるが,問3(89. 7%)はHow about+動名詞?の形で,主語,動詞もなく生徒にとっては好んで使われる文型で理解されやすいことから,このように高い正答率になったものと思われる。
・小問7(22.7%)は,動名詞が主語として使われた文型で,生徒にとってはほとんど理解されていないと思われる。
目的語をともなった動名詞が主語になる場合となると混乱が大きいことを十分ふまえて,sub-stitution dri11等のくふうをして指導したいところである。
領域別に概観すると,次の表のようになるが,各領域間にはそれほど大きな正答率の差はみられない。
領域 平均正答率
聞くこと・話すこと 読むこと 書くこと
62.9% 58.1% 58.7%
問題の形式からみると、単語の発音の問題,まとまりのある数個の文を読む問題,語順の問題が今後の指導上重点をおく必要がある。語および連語については,文部省の中学校指導要領に示されているものは勿論,現在使用中の教科書のみならず,他の教科書も参考にしながら,各自の見識において精選し重点的に指導されるよう望むところである。