研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 021/060page
(3) 5×3
このような問題は,47年度にのみみることができる。
例3(3年の場合)
正方形で,1辺の長さとまわりの長さのかんけいをあらわしているしきはどれでしょう。
(あ)口+△=4 (い)口×4=△
(う)□-△=4 (え)4÷□=△このような問題は,47年度にのみみることができる。
例4(4年の場合)
つぎのかけざんをして,こたえをにかきいれなさい。
(1) (2) このような問題は,43年度およぴ47年度にみることができる。
例5(5年の場合)
3から10までの整数を3でわったときのあまりで分類して(2),(3)の{ }にあてはまる数を書き入れなさい。(1) あまりが0となる数の集合 { 3 6 9 }
(2) あまりが1となる数の集合 { }
(3) あまりが2となる数の集合 { }このような問題は,47年度にのみみることができる。
ここで,@とAを総合すると,学習指導要領の改訂により問題の構成方法が変わり,しかも問題の程度が高くなって,比較できない指導内容の項目数(間題のねらいからみた)が学年の進行によって多くなると考えることができる。
このことを裏返してみると。比較できる指導内容は学習指導要領の改訂によっても不変な内容で,それは算数科における最も基礎的指導内容であるといえよう。
したがって,教師の経験的比較結果(現場の声)は,算数科における最も基礎的指導内容の学習結果の比較であると考えてよいであろう。
(2) 変動についての考察
6の(1)の立場で,教師の経験的比較の実態を「福島県標準学力検査問題報告書のdataが統計的処理の素材となり得るという仮定」のもとに,1の(2),(3),(4)の手法で数量化し,5でその変動の分析を試みた。
その結果,次のようにまとめることができた。
@ 1年についての基礎学力の変動は,この10年間一定の状態にあると推測できる。
A 2年〜4年についての基礎学力の変動は,42,43年度まで増加の状態にあり,その後一定の状態にあると推測できる。
B 5年についての基礎学力の変動は,35年