研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 026/060page

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食物の接触面積が,食物の量にかかわらず一定であるため,産卵または幼虫の育成に何らかの影響を与えていることである。この現象を解明するため,ショウジョウバエと食物の接触面積だけを変え,他の条件を統一して飼育を行ってみた。接触面積を変える方法として,第4図に示したように管びんの角度を41.5°,30°に変え,だ円の長径を1,1.5,2,にしてそれぞれの面積比を1:1.5:2にする方法を試みた。写真1は面積比を2にした時の飼育方法である。

第4図

写真1

写真1

第3表及び第5図に示したデータを見ると,ショウジョウバエと食物との接触面積が,1.5倍,2倍と大きくなるにしたがって羽化数の増加が認められる。これらの事実から判断するとショウジョウバエの増殖は,食物の量の増加とともに大きくなり,実験室における飼育では,食物との接触面積によっても影響を受けることがわかる。写真2,写真3は,面積比1,1.5,2の管びんを正面と側面から見たものである。

第 3 表

第 3 表

第5図

接触面積が小さいために増殖がさまたげられる現象は,写真2,写真3の右端にある面積比2の管びんのように,斜めにえさを流しこみ,表面積を広げることによって解消される。このように,管びんの中のえさを広げたり,腰高シャーレを用いてえさを広げる方法をとれば,成虫の産卵の限界に近い値が得られると思われる。


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