研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 042/060page
5.炭素鋼の熱処理
材質G3112.SR24の鋼材使用
同じ鋼材でも炭素量の多少や加熱と冷却の方法の相異によって性質を変化させることのできるのが鉄鋼材の大きな特徴の1つである。
ここでは一般に市販されているSR24の軟鋼材を用いて熱処理を試みた。
方法は同一鋼材の結晶粒の変化をみるために加熱温度を同じ条件として820℃〜880℃まで上昇させその間30分とし,冷却条件を(2)は水冷,(3)は空冷,(4)は炉冷とした。
(2)の水冷ではその結晶粒は,(1)の素材と比べて細かに結晶されているが適温加熱でないため完全なマルテンサイト変態とは云いえないが麻の葉状の観察はB'にするとこれが見られる。
以下(3)空冷,(4)炉冷の順に結畠粒は粗大化されカタサや引張り,伸びなどの力は(1)の素材に比して異なってくる。
以上結晶粒の変形を見てきたが,鋼材の処理や写真技術等全般的にその手法に甘さがあり反省している点が非常に多いのであるが,これを機会に更に研究を深めていきたいと思っている。
◆参考文献
中学校技術・家庭研究の手引き… 文部省編
最新機械材料…… 東京電機大学編(担当者 三瓶忠二)