研究紀要第25号 学習指導に関する研究 - 056/060page

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 B 上記Aで述べられた問題の解決法としては,どんなことが考えられますか。

男子教員の意見
女子教員の意見
1  給与の平等と同じように働きも平等に
2  女教師にも自信をもたせる
3  積極的に仕事をさせる
4  アドバイスのみにとどめ仕事の手助けをしないようにする
5  女教師の研修の場を多くし再教育をする
6  女性にもリーダーシップをとることができるように配慮する
7  組織上の問題の再考
8  管理職の人間性が最も大切である
9  学級担任の男子優先の排除が心要
10 共通理解と共同実践
11 本人の良識と意欲にまつよりしかたがない
12 男女の特性を生かした協力が必要
13 女教師にもポストを多く与える考慮をする
14 学校運営面についての研修にも女性を参加させる
15 T.T方式の導入
16 育児休暇制度導入
1 校務分掌の均等化をはかる
2 女性自身の気持ちの問題である
3 適材適所の校務分担
4 社会体育の充実をはかり,クラブ活動を教師の手からはずす
5 雑務を教師の手からはずす
6 産休・病休がらくにとれるようにし精神的な負担を軽くする
7 育児施設の充実をはかり,女子教員が安心して働けるようにする

以上のほかにも二,三の意見が提示されていたが,多数の者が提案しているもののみを上げてみた。この項目についても,女子教員の回答数が非常に少なく,内容的には,いますぐ学校現場で改善できる提案よりは,これからの教育行政に望む声が多くみられたことが,男子教員の提案と異質であったことを付記しておく。

(3) 結論

本研究によって,女子教員に理数系科目を習うと学力が低下するという神話は,神話の座からまったくの俗説の座に移しかえられ,女教師に教えられたからではなく,ある女の先生に教えられたために…………」という因果関係が明確になった。

ただ,いろいろなかたがたの意見を総合してみて,依然として学校現場には男女教師の性の違いが生みだす問題は山積されているようである。男子教員,女子教員も共にこれらの点に触れることをタブーとせず,………から自由を求めて逃げるのではなく,その中へ積極的に参加し再建をはかる,………への自由を目ざし,よりよい教育の場,住みよい教育の場を作ることに協力していかなければならないことを,ここで再認識し実践に移していきたいものである。

 

3 女子教員の研修について

前記「女子教員による教育が児童・生徒におよぼす影響」において,A 学校運営上男女教師の性別の違いがいろいろと問題を生んでいるようだが,それはどんなことか………の意見の2,および B の問題解決法の男子教員の意見5に示されているごとく,女子教員の研修は,女教師問題を解決する一つの手がかりを与えるものと考えられる。したがって,本研究では研修の面から女教師問題を堀り下げてみた。

(1) 女子教員の研修について

 A 調査対象………福島県下小学校男女教員


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