研究紀要第26号 現職研修に関する調査 校長の指導助言を中心として - 004/024page

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年代・性・職位についての反応に有意の差がある。

20代では,教育技術,学習指導が1・2位であるの対して,30代以上は,教育観・教職観,教育理論,教育技術の順となっていて全体としても教育観・教職観,教育技術が1・2位をしめている。校長についてこれをみると20代,30代に対する指導の必要順位と合致するが,40代教貝に対しては研究のすすめ方,学校運営となっていてそのずれが大きい。学校運営管理と教職ライフサイクルを考慮した指導助言の必要と教員の要求が合致していないことがうかがわれる。

30代以上の教員が,教育観・教職観について指導助言を希望することについては,「40代にもなって,教育観・教職観が確立せず指導助言を求めるとは」という見方や「40代になっても,職のあり方を問う謙虚さがある」等々,種々の見方,考え方ができる。

しかしながら,教育の目的である理想的人間の具体像の欠除,あるいは生きがいの喪失,哲学を持たないことなどが,これらの要求となって現われているのではないかとも考えられる。反面20代教師にこれらの要求が少なく,教育技術という目前の問題解決が焦点となっていることは,教育養成機関においての教職課程履習の不足を指摘できるのではないかと思われる。

性差が有意であることから,小学校においては性差を意識した指導助言が必要である。

◇中学校

20代教員においては,生徒指導,学級経営が1・2位をしめ教育観・教職観がそれについでいる。
30代以上は教育観・教職観,物の見方考え方がそれぞれ1・2位をしめていて,小学校と同様のことがいわれる。

なお,面接調査によって「物の見方考え方」とは,問題事例についての対処のし方,考え方というとらえ方がなされるのがほとんどであることを確かめてはいるが,特に規定したわけではない。
性差について有意の差がみられないことから,中学校においては,特に性差を意識して指導助言の内容を配慮するということは,あまり必要がないということを言うことができると思う。
校長と教員の意識には有意の差があり,小学校と同様のことが言われる。

◇小学校・中学校・高等学校長の反応

20代教員,40代以上教員についての指導助言の内容については有意の差がなく,20代教員に対しては,教育観・教職観,服務と勤務のあり方と,40代以上の教員に対しては,学校運営,校内研修のリード,教育関係法をあげている。30代教員に対しては小中学校間にもと有意の差があり学校種別による違いがみられ,小学校においては,教育観・教職観,研究のすすめ方があげられ,研修において中堅としての活躍を期待している。中学校においては,生徒指導,教育観・教職観,高等学校においては,学級経営,生徒指導があげられていて中・高においては生徒指導の中堅としての役割期待が大きい。小・中・高校間の有意差の現われは,学校規模の違いによる人的構成役割期待の違いの現れと考えられる。

しかし,教職ライフ・サイクルという観点からみるとき,校長には指導助言内容について共通理解が存在していると言うことができる。

(2) 研修についての指導助言・内容について問 校内における研修について,昨年度あなたはどのような内容について助言を受けられましたか。校長先生が重点をおかれたと思われる順に3個選んで番号を記入してください。(教員対象)問 研修を促進するため,昨年度どのような内


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