研究紀要28号 両親および教師からみた現代の小学生像 - 017/023page
域では,5年ごろから急増するようである。
「早寝・早起き」は市外地域に多いかと予想していたが,これは,全くといってよいほど,その差はみられなかった。(15) 忘れ物について
県全体としては,「ときどき忘れる」と「忘れ物は少ない」が48パーセントと43パーセントの同程度で,「忘れ物が多い」というのは9パーセントだが,「ときどき忘れる」を含めると,過半数は忘れ物をする方にはいると考えられる。
次に,図47から地域別・性別にみると,市中心が5分5分で他は過半数が「忘れ物をする」傾向にはいるといえる。又,男子は女子に比べて,忘れ物は多いとみることができるだろう。
次に,学年別・性別の傾向を次の図48によってみると,低学年,特に一年生が忘れ物が少く,3年生が一番多い。これは,一年生では周囲,特に保護者の配慮が細かになされる時期で,三年生位になると未自律な点が残されたまま,家庭での配慮に手ぬきがでてくるものとも推察されよう。学級PTAの出席などがぐんと減るのもこのころであることなどと関連するように思われる。
一方,4年から6年にかけて徐々に減少してきているのは,次第に自主性が成長しているためとみられる一方,1年生と比べては,やはり忘れ物が多く,これは,意欲との関係で固定してしまうものも出てくるためだろうか。忘れ物が多いということは,学校での生活,特に学習への動機が弱いということにもなりかねない。つまり,前日の学校生活が翌日の学校生活への再起的傾向を促進しているかどうかの反省の必要の示唆かも知れない。