研究紀要28号 両親および教師からみた現代の小学生像 - 022/023page

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をあげている。このことは,「自主性に乏しい」ことと関連しているが,一歩一歩段階を追って体得させ,実践させていくならば,自ら解決されていくものと信ずる。

(3) 現代小学生を指導する上での留意点

表5 現代小学生を指導する上での留意点

項     目
回  答  数
校  長
担  任
1.耐性を育てる
4
17
21
2.体力づくりをする
4
3
7
3.健康を大切にする
4
13
17
4.長所を伸ばしてやる
3
4
7
5.奉仕の精神を育てる
3
3
6
6.ひとりひとりを大切にする
2
6
8
7.思いやりの気持ちを育てる。
2
12
14
8.実行力を身につける
2
2
4
9.事故防止に努める
2
9
11
10.基本的な生活態度を徹底する
21
5
7
11.自主的態度を育てる
1
13
14
12.責任感を育てる
1
10
11
13.他人に迷惑をかけない
1
11
12
14.落ち着きのある態度にする
1
12
13
15.協力を大切にする
1
9
10
16.物を大切にする
0
2
3
17.友達と仲よくする
0
10
10
18.約束を守る
0
6
6
19.節度ある生活をする
0
7
7
20.自己の意見をいうことができる
0
10
10
21.正しい判断力をつける
0
8
8
522.礼儀正しくする
0
5
5
23.ことばづかいをよくする
0
3
3
24.相手の立場を考える
0
10
10
25.人命の尊さに気づかせる
0
2
2
26.友達を親切にする
0
2
2
34
194
228

 子供を教育する上で,学校長と担任では指導の観点は異なっていても,望ましい性格づくりでは完全に一致しており,前向きに努力していることはいうまでもない。前頁の表を図63にまとめてみると,

 学校長と担任で共通していることは,子供の最も短所である「根気強さがない」ということについて,「耐性づくり」をしようとすることである。このことは,極めて自然であり,現代っ子を指導する指針ということができよう。

 学校長は,「体力づくり」「健康を大切にする」ことをあげている。「体力づくりは」は「耐性づくり」からみて,表裏の関係にあることは明白である。さらに,健康を重視していることは,極めて望ましいということができる。

図63
図63

 担任としては,「自主的態度を育てる」ことを強調しているが,「消極的態度である」ことを矯正していくことは当然大切なことであろう。次に目立つこととして,「落ち着いた態度にする」ということである。学習に興味を持たせたり,危険を防止することからいって当然なことであろう。しかし,ただ「落ちついた態度にする」といっても,その原因を探究することがなければ,叱責により強制することに終わってしまう。学習に興味がないのか,心身に異常はないのかなどを十分に確かめて,適確な判断をする必要がある。

 

7.ま と め

(1) 父母のアンケートからのまとめ

 調査対象者の46パーセントが共働きであり,この風潮は当分の間続くものと思われる。また子供に手が掛らぬようになれば,何らかの職につきたいと考えている母親が意外に多いこともわかった。
これは,子供の数が少ないこと−子供の数が2人55パーセント,3人が30パーセントと,大多数の親たちは3人以下の子供を有しているにずぎず−子供に手が掛らなくなる年代のおとずれが若年齢になってきていることに大いに関係があるのでは


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